大豆品種「サチユタカ」の奨励品種採用

タイトル 大豆品種「サチユタカ」の奨励品種採用
担当機関 しまねの味開発指導センター
研究期間 2000~2000
研究担当者 橋本 忍
陶山研治
安原宏宣
松崎一
寺戸秀美
発行年度 2000
要約 豆腐加工用品種として、高蛋白質、良質多収の中晩生品種「サチユタカ」を奨励品種に採用する。
背景・ねらい  島根県の主力品種「タマホマレ」は、品質・収量の安定性をはじめ諸特性に優れた品種であるが、蛋白質含量が低く豆腐加工適性に難がある。国産大豆需要の半分以上は、豆腐・油揚げ原料であること、今後、国産大豆の供給量増加による産地間競争の激化が予想され、ますます用途に応じた品質が重要視されることから、豆腐加工に適した品種の選定は緊急の課題である。
成果の内容・特徴
    「タマホマレ」と比較した「サチユタカ」の特徴は次のとおりである。
  1. 開花期は5日程度遅いが、成熟期は同じかやや早く、本県では中晩生に属する(表1)。
  2. 主茎長はやや短く、主茎節数はやや多く、分枝数はやや少なく、茎の太さはやや太い(表1)。
  3. 耐倒伏性は「タマホマレ」並みに強く、蔓化、莢先熟の障害は少ない。最下着莢節位高はやや高い(表1、表2)。
  4. 子実収量は「タマホマレ」より高く、安定して多収である。子実百粒重は5g程度重く大粒である(表1)。
  5. 紫斑粒の発生は少なく、裂皮粒は同程度に発生し外観品質は同程度である(表2、表3)。
  6. 子実の粗蛋白質含量が高く、粗脂肪、全糖含量はやや低い。豆腐が堅く、豆腐加工適性が優る(表2、表4)。

成果の活用面・留意点
  1. 県下全域を対象に普及を図る。栽培管理は「タマホマレ」と同様でよい。
  2. 褐斑粒がやや発生するため、生育初中期のアブラムシ防除を行う。
  3. 裂皮粒がやや発生するため、極端な早播きは避ける。
  4. 裂莢し易いので、極端な遅刈りは避ける。

図表1 211055-1.jpg
図表2 211055-2.jpg
図表3 211055-3.jpg
図表4 211055-4.jpg
カテゴリ 病害虫 加工 加工適性 栽培技術 大豆 品種 防除

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