タイトル |
京都府丹後地域における「コシヒカリ」の晩植栽培による外観品質の向上 |
担当機関 |
京都府丹後農業研究所 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
岡井仁志
杉本充
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発行年度 |
2000 |
要約 |
「コシヒカリ」の移植期を慣行より2週間程度遅らせた5月下旬植では、登熟期間の最低気温平均値を適正な範囲に抑えるとともに、穂数や籾数が少なく、m2 当たり籾数が制限されることから、玄米の外観品質向上に有利な条件となる。
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背景・ねらい |
米の産地間競争が激化する中、品質のより一層の向上が求められる。 そこで、京都府北部の基幹品種「コシヒカリ」の移植適期について、玄米外観品質面から検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 1989年から2000年まで同一移植期で栽培した「コシヒカリ」の登熟期間中の最低気温平均値と玄米外観品質に有意な相関があり、最低気温が低いほど外観品質が向上する。1等米となる範囲を回帰直線から算出すると21.5℃以下となる(図1)。
- 京都府丹後地域における「コシヒカリ」の移植期を、慣行より遅らせて5月下旬頃とすると、最低気温は約1℃低下し、良質粒歩合の増加と乳白粒など未熟粒の減少といった外観品質の向上が見られる(表1、表2)。
- 5月下旬植の「コシヒカリ」は慣行の5月上旬植より穂数や籾数が少なく、収量が3~10%下がるものの、出穂期が遅れ、登熟期間中の温度条件を抑えることができるので玄米外観品質面で有利となる(表1、表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成果の適用地帯は京都府北部・丹後地域である。特に、1等米比率が低いなど外観品質面で課題のある地域での活用が望ましい。
- 5月下旬植で穂数や籾数が減少しすぎると減収につながりやすいので、健苗育成や穂肥の適期施用など適正籾数の確保に努める。
- 作期を遅らせることによってほ場への入水や防除の時期が変わるので、作期移動は集落ぐるみで取り組む。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
品種
防除
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