タイトル |
横溝ロール式側条施肥機の肥料繰り出し特性 |
担当機関 |
滋賀県農業総合センター |
研究期間 |
2000~2003 |
研究担当者 |
高田 勇
中井 譲
中橋富久
藤井吉隆
北浦裕之
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発行年度 |
2000 |
要約 |
横溝ロール式の側条施肥機を装着した田植機および湛水直播機を用いる場合、作業前に、肥料のかさ密度に応じた繰り出し特性を把握し、これに基づき施肥量を設定すれば、より正確な施肥が可能になる。
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背景・ねらい |
本県においては、側条施肥機を装着した田植機や湛水直播機が普及している。しかしながら、圃場内でスリップ率が変動すること、有機質肥料に代表されるかさ密度の小さい肥料の普及に伴って、設定どおりの施肥ができない事例も見られる。そこで、試作した湛水直播機を用い、肥料のかさ密度に応じた繰り出し特性を把握する。
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成果の内容・特徴 |
- 供試した湛水直播機は、水田用栽培管理ビークル(Y社PV-14H)に、作溝板と横溝ロール式の施肥播種装置を装着したもので、播種溝の側方5㎝に形成した深さ5㎝の溝に施肥を行う(写真、表1)。
- 施肥播種装置を駆動するDCモータの回転は、エンジン回転数に連動しており、作業は、主変速-作業、副変速-低で行う。また、繰り出し量の調節は、ロールのセル幅を変えることによって行う(写真、表1)。
- かさ密度が異なる3種類の肥料について、路上20m間を0.3~0.46m/sの走行速度で、繰り出し試験を行うと、セル幅(x)と繰り出し量(y)との間には、高い正の相関関係が認められ、一次回帰式で表すことができる(図)。
- 上記の一次回帰式から、スリップ率を10%とし、目標の施肥量にセル幅を決定すると、肥料№1(かさ密度0.92g/cm3 )、肥料№2(かさ密度0.81g/cm3 )、肥料№3(かさ密度0.81g/cm3 )とも、かなり正確な施肥が可能である(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- ブラシとロールとの間隔が開いていたり、ブラシが摩耗していると、正確な繰り出しができないので、作業前に確認しておくこと。
- 近年、側条施肥機に対応した様々なかさ密度の肥料が普及している。このため、正確な施肥を行うためには、使用する肥料ごとに繰り出し特性を把握しておくことが必要である。
- 施肥量は、スリップ率によって変動するため、注意が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
土づくり
肥料
栽培技術
水田
施肥
播種
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