制限給餌による採卵鶏の抗体産生能の向上

タイトル 制限給餌による採卵鶏の抗体産生能の向上
担当機関 京都府畜産研究所
研究期間 1999~2000
研究担当者 松田誠一
西井真理
八木充
発行年度 2000
要約 採卵鶏の毎日7時間絶食による39週齢から73週齢の制限給餌は、不断給餌に比べて、飼料消費量が3.5%の制限となり、産卵率は3.4%低下するが、43週齢時の羊赤血球凝集抗体価を上昇させる。
背景・ねらい  近年、畜産物の安全性に対して消費者の関心が高まる中で、採卵鶏経営においても鶏の免疫機能を高めて健康を保持し、疾病の発生を防ぐことは経営上重要である。
 そこで、制限給餌による軽いストレスが生産性や免疫機能に与える影響について検討する。
成果の内容・特徴
    褐色卵殻鶏200羽を供試し、制限給餌区(100羽)と不断給餌区(100羽)を設定する。試験期間は39週齢(1月)から73週齢(9月)とし、制限給餌法は、農家での応用を考え、毎日午前9時から午後4時までの7時間を絶食とする。免疫機能の評価は、43週齢と73週齢時に、羊赤血球凝集抗体価とブルセラ死菌凝集抗体価により判定する。
  1. 制限給餌による飼料消費量の制限効果は、39から66週齢まで持続し、この間の飼料消費量は不断給餌区に比べて4.3%制限となるが、67週齢以降は両区に差を認めず、通算では不断給餌区に比べて3.5%の制限となる。制限給餌区の産卵率は、不断給餌区より平均で3.4%低くなり、鶏卵収入から飼料費を引いた差益は、不断給餌区に比べ劣り1羽当たり87.4円安くなる(表1、表2、表3)。
  2. 羊赤血球凝集抗体価は、43週齢では制限給餌区が不断給餌区に比べ有意に高く、ブルセラ死菌凝集抗体価についても制限給餌区が高い傾向である。73週齢ではいずれの抗体価も両区に差を認めない(表4)。
  3. 73週齢時の両区の羊赤血球及びブルセラ死菌凝集抗体価は、43週齢時に比べ両区とも有意に低く、免疫応答が低下する(表4)。

成果の活用面・留意点
  1. 制限給餌は、抗体産生能を高めて鶏の健康を保持する一つの方法と考えられるが、生産性への影響を考慮した制限給餌法を更に検討する必要がある。
  2. 鶏種や季節、特に夏期高温時の免疫機能向上効果についても検討する必要がある。

図表1 211087-1.jpg
図表2 211087-2.jpg
図表3 211087-3.jpg
図表4 211087-4.jpg
カテゴリ 経営管理

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