発情周期、妊娠初期のウシ子宮内膜におけるIL-2、IL-4、およびIL-10遺伝子の発現

タイトル 発情周期、妊娠初期のウシ子宮内膜におけるIL-2、IL-4、およびIL-10遺伝子の発現
担当機関 中国農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 小松正憲
小島孝敏
大島一修
渡辺裕子
発行年度 2000
要約 ウシの発情周期および妊娠初期の子宮内膜では、免疫に関与するインターロイキン2(IL-2)、IL-4およびIL-10遺伝子の発現が時期特異的に変化し、また、子宮内膜の小丘部および小丘間部の部位によって各遺伝子の発現に差がある。
背景・ねらい  同種移植片である胎子が接着する妊娠の成立においては、妊娠特異的な母子間免疫機構が子宮に働いていると考えられる。マウスやヒトの妊娠子宮においては、IL-4やIL-10などのサイトカインを分泌し、液性免疫を活性化させるTh2(2型のヘルパーTリンパ球)が、IL-2などを分泌し細胞性免疫を活性化させるTh1(1型のヘルパーTリンパ球)に優位になることにより、細胞性免疫の活性化による胎子の拒絶が抑制されていると考えられている。
 一方、ウシの妊娠におけるこれらのサイトカインの動態はほとんど知られていない。本研究はウシの妊娠初期における母子間免疫機構を解明する一助として、妊娠初期の子宮内膜におけるIL-2、IL-4およびIL-10遺伝子の発現について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 発情周期0、6、13(2頭)、14日、妊娠17、20、30、34、48、49、135、140日の黒毛和種雌牛計13頭から、妊角(黄体側)子宮内膜小丘部および小丘間部を採材した。遺伝子発現はABI7700 シ-ケンスディテクターを用いて定量した。
  2. 発情周期の黄体が形成される6日~14日はIL-4の発現が高い。(図)
  3. 胚が接着を開始する妊娠20日齢はIL-2およびIL-10の発現が高く、IL-4も黄体期ほどではないがやや高くなる。ウシにおいてはIL-2を含めた、母体の免疫系の活性化が胚の接着、胎盤の形成を促進している可能性がある。(図)
  4. 妊娠48日齢以降は、小丘部ではIL-2およびIL-4両者の発現が非常に低下する。妊娠135および140日齢の小丘間部ではIL-10の発現が高く、液性免疫が優位となる。(図)
  5. マウスでは妊娠全期に渡ってIL-4が高くなり、IL-2は低くなると報告されているが、ウシでは妊娠時期や子宮内での部位によって、ウシ特異的なIL-2、IL-4およびIL-10遺伝子発現の動態が認められた。これらの炎症性サイトカインの動態が、ウシ発情周期および妊娠初期における胚の成長、伸長、接着、胎盤の形成、妊娠の安定化および継続に深く関わっているものと推察できる。

成果の活用面・留意点
    ウシにおける母子間免疫機構および受胎成立機構の解明への有用なデータとなる。

図表1 211097-1.jpg
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