ウシ体内受精胚、胎膜におけるIGFⅡ遺伝子の発現の様相

タイトル ウシ体内受精胚、胎膜におけるIGFⅡ遺伝子の発現の様相
担当機関 中国農業試験場
研究期間 1999~2001
研究担当者 大島一修
渡辺裕子
小島孝敏
小松正憲
発行年度 2000
要約 体内受精胚、胎膜で発現するインスリン様成長因子Ⅱ(IGFⅡ)遺伝子GFⅡ遺伝子発現は胚のステージにより変化し、桑実胚では認められず、胚盤胞では強く、拡張胚盤胞では弱い。
背景・ねらい 核移植胚、体外受精胚由来の胎子は過大子が多い、いわゆるlarge offspring syndromeが問題となっており、これは再構築胚や体外受精胚の遺伝子またはその発現機構が体内受精胚と異なり、胎盤や胎子の発育が異常になっていることが一因と考えられる。そこで再構築胚、体外受精胚との比較上で重要となる正常胚の遺伝子情報について、胎子の成長に重要な関与が考えられているインスリン様成長因子(IGF)Ⅱ遺伝子発現の検討を行った。
成果の内容・特徴 各遺伝子の発現量の測定は、TaqManプローブとプライマーを用い、グリセルアルデヒドリン酸脱水素酵素(glyceraldehyde-phosphate-dehydrogenase (GAPDH))遺伝子を内部標準として、ABI Prism 7700 sequence detection systemにより行う。
  1. 胎子胎膜におけるIGFⅡ遺伝子は検討したすべてのサンプルで認められ、妊娠135日齢の胎膜で高発現である(表1)。
  2. 初期胚におけるIGFⅡ遺伝子発現は検討したすべてのサンプルで認められ、胚の発育ステージで変化している。IGFⅡ遺伝子発現は桑実胚と胚盤胞で高く、収縮桑実胚と拡張胚盤胞では低い。桑実胚と胚盤胞での発現量は、大きなばらつきがある。体外受精胚(胚盤胞)7個からのサンプルにおいても低いIGFⅡ遺伝子発現が認められる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 初期胚と受胎産物におけるIGFⅡ遺伝子発現の基礎的データとして有効である。
  2. 体外受精胚、再構築胚の正常性判定の指針として活用できる。
図表1 211098-1.jpg
図表2 211098-2.jpg
図表3 211098-3.png
図表4 211098-4.png
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