タイトル |
タマネギの機械移植精度を高めるセル育苗技術 |
担当機関 |
兵庫県立淡路農業技術センター |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
桐村義孝
小林尚司
|
発行年度 |
2000 |
要約 |
培養土は,ピートモス:土:バーミキュライトの配合比率を7:1:2とし,土詰め,鎮圧を2回繰り返し根鉢の強度を高める。苗床の基肥は,窒素成分を1.5kg/a以下とし,剪葉は播種20日後に刈り高5cm±3cm,その後1週間間隔で15cmに行う。
|
背景・ねらい |
タマネギ栽培では機械移植に適したセル成型苗の生産技術が求められている。タマネギ苗は細根の発生が少なく、根鉢が形成されにくいことが大きな問題であるが、これまでに、セルの大きさを288穴前後とし、地床に根を張らせることで良質な苗が得られることを明らかにした(平成10年度近畿中国成果情報)。さらに移植精度を高めるための培養土組成と土詰め法、均一で直立した苗に仕上げる苗床の基肥と葉先刈り法を明らかにする。
|
成果の内容・特徴 |
- 育苗用セルトレイへの培養土の土詰め、鎮圧を2回繰り返すことにより、移植時の根鉢の強度が高まる。また、培養土のピートモス:土:バーミキュライトの配合比率を、慣行の5:3:2から7:1:2として、pHを調整しつつピートモスの割合を高めることにより、根鉢が崩れにくくなり、移植精度が向上する(表1)。
- 苗床の基肥は、N-P2 O5 -K2 Oの各成分1.5-1.5-1.0kg/aを標準とする。基肥のN成分が多くなると苗重は重くなるが、T/R比が大きくなり地上部の生育に比べて根部の生育が劣る。過繁茂になり正常苗率は低下し、根鉢の強度も弱くなる(図1)。とくに、気温の高い早生種の播種時期では、基肥を1/2に減らし、播種後30日目より、窒素濃度300ppmの液肥を1週間に1回施与し、生育を確保する方法が適する。
- 播種後20日、葉長が15cmになった頃に葉先を刈る処理を行うと、葉が硬くなり、倒伏しにくくなるとともに、病害発生や移植時の絡み合いを防ぐことができる。刈り高を5cm±3cmとすると苗質の劣化はみられない(表2)。その後、1週間間隔で草丈15cmとなるように刈る。定植時の苗の葉長を18cmとすると、充分な球の肥大が得られる。
|
成果の活用面・留意点 |
- 根鉢の強度を高め、定植後の活着を良くするためには、セル内の根数を20本以上確保することが重要となる。そのためには、地床に根を張った育苗期の後半になっても、セル内の培養土を乾かさないように、適宜潅水する必要がある。
- 露地で育苗する場合は、発芽後の台風や大雨に備えて、トンネル状に寒冷紗を掛ける準備をしておく。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
カテゴリ |
育苗
栽培技術
たまねぎ
播種
|