中山間地積雪地帯における耐雪型パイプハウスの周年利用体系と経営評価

タイトル 中山間地積雪地帯における耐雪型パイプハウスの周年利用体系と経営評価
担当機関 鳥取県園芸試験場
研究期間 1998~2000
研究担当者 亀田 修二
清水達夫
木村順二
発行年度 2000
要約 中山間地積雪地帯において、耐雪型パイプハウスを利用して、基幹品目の夏秋トマト及び夏どりメロンと補完品目のホウレンソウなどを組み合わせた周年輪作体系を組み立てることにより、冬期余剰労力の有効利用と所得向上が図れる。
背景・ねらい  本県中山間地域では耐雪型パイプハウスの導入が急速に進んだが、冬期の利用実例が乏しく周年利用はほとんど行われていない。そこで、夏秋トマト及び夏どりメロンを基幹品目とする冬期無加温周年輪作体系を組み立て、その実用性を評価する。
成果の内容・特徴
  1. 夏秋トマトの作付け期間は6月上旬~10月下旬とする(図1)。
  2. 補完品目としてはホウレンソウ及びコマツナを移植栽培により3作導入できるが、ホウレンソウの方が市場性、収量性が優れ有望である。コマツナの市場単価はホウレンソウの60~70%で収益性が劣る。その他、葉ワサビも市場性が優れ導入可能となる(図1)。
  3. 夏秋トマトの後作にホウレンソウを3作組み合わせることで10aあたり96万円、葉ワサビの場合は86万円程度の所得増加が期待できる(表1)。
  4. 夏どりメロンの作付け期間は5月上旬から8月中旬とする(図1)。
  5. 補完品目としては秋切りのストック及びキンギョソウ、さらに冬どりホウレンソウ及びコマツナが移植栽培法により2作導入可能である(図1)。キンギョソウは低温期の切花品質が劣り、コマツナはホウレンソウよりも収益性が低い。
  6. 夏どりメロンの後作にストックとホウレンソウ2作を組み合わせることで、10aあたり合計134万円程度の所得増加が期待できる(表1)。
  7. 以上より、冬期間未利用施設の有効利用と周年就労体系が実現し所得向上が図られる。

成果の活用面・留意点
  1. 移植栽培法によるホウレンソウ導入には育苗ハウスが必要となる。また、生育速度は厳寒期には非常に遅いが春先は逆に早まるため、収穫期の労力配分には十分注意する。
  2. ハウス内部の支柱設置とハウスサイドの除雪(融雪)を徹底し倒壊を回避する。

図表1 211112-1.jpg
図表2 211112-2.jpg
カテゴリ 育苗 経営管理 こまつな ストック 中山間地域 トマト ほうれんそう メロン 輪作体系 わさび

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