観賞用イネ科植物の長日処理による採花期前進技術

タイトル 観賞用イネ科植物の長日処理による採花期前進技術
担当機関 京都府農業総合研究所
研究期間 2000~2001
研究担当者 土橋 豊
発行年度 2000
要約 [要約]切り花として有望な観賞用イネ科植物に長日処理を行うと、採花期が前進する。ラグラス・オバタスは開花すると観賞部の花穂が乱れ、観賞期間が短くなるが、長日処理により2~3月に採花すると、全く開花せず、観賞期間が延長する。
背景・ねらい  近年、フラワーアレンジメント素材として、自然の雰囲気を持ち、季節感のある切り花が人気を集めている。そこで、切り花として有望と考えられる観賞用イネ科植物を対象に、無加温ビニルハウスにおいて採花期の前進を図るため、定植時期と長日処理が採花期および切り花品質に及ぼす影響を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 供試した4品目いずれもが、12月下旬からの長日処理(16時間日長)により、出穂が早くなり、採花期が前進する(表1)。
  2. ペニセタム・セタケウムは8月中旬に定植を行うと、1番花が年内に採花できるが、他の3品目では、定植時期を早めることによる採花期の前進は認められない(表1)。
  3. オオムギ「寒咲き早生ムギ」、コバンソウ、ラグラス・オバタスの切り花長は、定植時期による影響は受けないが、長日処理によりやや短くなる傾向がある(表1)。
  4. コバンソウ以外は、長日処理により一斉開花せずに、採花期の分散が図れる(表1)。
  5. ラグラス・オバタスは生けている間に開花し、観賞部の花穂が乱れるが、長日処理により採花期を前進させた切り花を用いると、開花が認められず、観賞期間が延長でき(表2)、開花には観賞期間中の室温が影響している(表3)。
  6. オオムギ「寒咲き早生ムギ」、コバンソウ、ラグラス・オバタスは、10月定植・長日処理により、無加温ビニルハウスで需要期の3月中に採花可能となり、他の品目との輪作体系においても、ほ場占有期間が短く、実用性が高い。

成果の活用面・留意点
  1. 切り前は出穂直後とする。
  2. ラグラス・オバタスの自然日長区では、4月から採花可能となるが、生けている間に開花する傾向があるため、ドライフラワーに加工して出荷するとよい。
  3. コバンソウは茎が細いため、出荷調整作業が困難である。

図表1 211121-1.jpg
図表2 211121-2.jpg
図表3 211121-3.jpg
カテゴリ 大麦 加工 栽培技術 出荷調整 輪作体系

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