秋ギク栽培における防蛾用黄色蛍光灯の設置基準

タイトル 秋ギク栽培における防蛾用黄色蛍光灯の設置基準
担当機関 広島県立農業技術センター
研究期間 1999~2000
研究担当者 石倉 聡
福島啓吾
発行年度 2000
要約 秋ギクを防蛾用黄色蛍光灯により終夜照明する場合、ランプは地面に垂直で中央部の高さが地上5mとし、約16mおきに設置することで畝面照度 1~3 lx に調整できる。この照度であれば顕著な開花遅延は生じず、舌状花数と花首長に影響が認められない。
背景・ねらい  オオタバコガなどの農薬の効きにくい夜蛾類の防除法として、防蛾用黄色蛍光灯による 1 lx 以上の照度を保った終夜照明の有効性が報告されている。しかし、秋ギク栽培では、単純に照明すると開花に悪影響を及ぼす。そこで、秋ギク栽培において防蛾用黄色蛍光灯(管状、40w)を利用するための設置基準を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 終夜照明下の 1~3 lx までの畝面照度域において、‘秀芳の力’では舌状花数は増減せず、花首長は徒長しない(データ省略)。
  2. 終夜照明下の 1~3 lx までの畝面照度域において、‘秀芳の力’では 1 lx 当たり節数は1.6節増加し、切り花長は4.1cm増加(データ省略)、開花日は2.8日間遅延する(図1)。
  3. ‘精興黄金’の採花期間は、無点灯圃場では8日間に集中するのに対して、終夜照明により畝面照度 1~5 lx とした点灯圃場では、21日間となり長期化する(図2)。
  4. 防蛾用黄色蛍光灯のランプ方向は畝面に対して垂直とし、ランプ中央部が地上5mの高さとすると、ランプ直下からの距離8m以内で、畝面照度 1~3 lx照明が可能となる。実際の設置では、地上でのランプ間の距離を16m(10a当たり約12灯)とし、終夜照明する(図3)。

成果の活用面・留意点
  1. 露地圃場への設置にあたっては、耐風構造が要求される。
  2. キクの生育状況に応じて照度を調節することが難しい。
  3. 品種によっては著しく開花が遅れたり、ヤナギ芽の発生や草姿の乱れなど切り花品質が低下する場合がある。

図表1 211134-1.jpg
図表2 211134-2.jpg
図表3 211134-3.jpg
カテゴリ 病害虫 きく 農薬 品種 防除

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