タイトル | サトウキビ用部分深耕同時施肥・植付機 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 | 2000~2001 |
研究担当者 |
屋代幹雄 松尾和之(国際農研) Chairoj WONGWIWATCHAI(KKFCRC) |
発行年度 | 2001 |
要約 | サブソイラーとサトウキビ用施肥・植付機を結合し、サトウキビ用の部分深耕同時施肥・植付機を開発した。これにより、タイ東北部の砂質土壌地帯におけるサトウキビ栽培の耕起から植付けまでの作業工程を簡略化でき、耕起・植付作業の燃料消費量・作業時間を削減できる。 |
キーワード | タイ、砂質土壌、サトウキビ、耕起、植付け |
背景・ねらい | タイ東北部の砂質土壌地帯では、サトウキビ生産の拡大に伴って大型農業機械の導入が進み、作物の浅根化や土壌流亡の激化等を招く耕盤層が問題化している。また、サトウキビ作においては多くの作業機を用いる慣行栽培体系を改善し、コストの低減化が求められている。そこで、耕盤層の破壊、透水性の改善・表土流出抑制効果、作物根域の拡大等を通して畑作物の収量性改善や耐乾性の増大等の効果を有するサブソイル耕とサトウキビの施肥・植付作業とを結合させ、サトウキビ作における耕起・植付け作業体系の改善を図る。 |
成果の内容・特徴 | 1. 「サトウキビ用部分深耕同時施肥・植付機」(図1)は、市販のサトウキビ植付機を改良し、サブソイリング効果を持たせるための深耕ブレード及び部分耕を行うための耕起ブレードを取り付けたトラクタ用アタッチメントである。 2. 本機での作業により、深耕ブレードの通過した中央深耕部は深さ60cm程度まで、またその周囲の部分耕部は耕起ブレードにより深さ20cmまで膨軟にすることができ、深耕した真上に施肥し、同時にサトウキビの茎を植付することができる(図2)。 3. 深耕ブレードや耕起ブレードの取り付けによって植付機の牽引抵抗が増加し、植え付け時の燃料消費量は2倍程度増加するが、3連ディスクプラウによる耕起作業時とほぼ同等である。 4. 本機を利用することによって、慣行植付体系の心土破砕作業(一部で導入し始めている)と耕起作業の一部(7連ディスクプラウによる耕起)を省け、燃料消費量を約20%、作業時間を25%短縮することができる。また、本機は、植え付け前の耕起を省いた不耕起植付体系をとることも可能で、この場合は燃料消費量、作業時間を約70%削減できる。(図3,4) |
成果の活用面・留意点 | 1. 本情報は、「耕盤層破壊による土壌保全と作物生育促進」(別提出成果情報)とともに、タイ東北部の砂質土壌地帯におけるサトウキビの低コスト・省エネルギー的耕起・植付体系として有用な情報となる。なお、本機は東北タイと同様な砂質土壌地帯におけるサトウキビ作にも適応できる。 2. 本機を牽引するためには60~75kW(80~100PS)のトラクタが必要である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | コスト 栽培体系 さとうきび 省エネ・低コスト化 施肥 低コスト |