タイトル | ヒメフタテンヨコバイ媒介性ファイトプラズマの間接ELISA法による検出 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 | 2000~2005 |
研究担当者 |
田中穣 宇杉富雄 |
発行年度 | 2002 |
要約 | タマネギ萎黄病ファイトプラズマの膜タンパク質Phy-1のN末端アミノ酸配列を合成したポリペプチドに対する抗体を用いることで、感染植物からヒメフタテンヨコバイ媒介性のファイトプラズマを間接ELISA法によって簡易に検出することが可能である。 |
キーワード | ファイトプラズマ ELISA 抗合成ポリペプチド抗体 |
背景・ねらい | ファイトプラズマは純粋培養が不可能であり、また物理的な純化も困難であることから、精度の高い抗体の作成に必要な高純度の抗原を得ることが難しく、これまでELISA法等の簡易な血清学的診断技術が確立されていない。そこで感染植物から二次元電気泳動法によって単離されたファイトプラズマのタンパク質Phy-1のN末端アミノ酸配列に相当するポリペプチドを合成し、それを抗原として抗体を作成することで、ELISA法等の簡易な手法によるファイトプラズマの血清学的診断法を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. Phy-1タンパク質のN末端11アミノ残基に相当するポリペプチドを化学的に合成し、これをヘモシアニンに結合させたものを抗原とし、家兎に免疫して抗体を作製した 2. 間接ELISA法によりタマネギ萎黄病ファイトプラズマを感染植物から簡易で特異的に検出できる。結果は肉眼で容易に判別が可能であり、マイクロプレートリーダー等を判別に利用する場合はさらに各処理時間の短縮が可能である。(図1)。また、宿主植物等に由来する非特異的な反応は認められない(図2)。 3. タマネギ萎黄病以外の他のヒメフタテンヨコバイによって媒介される多くのファイトプラズマ病について検定が可能である(表2)。また、ヒシモンヨコバイやキマダラヒロヨコバイ、ツマグロヨコバイで媒介されるファイトプラズマとは反応が低く、識別が可能である(表1、2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 系統分類学的にはタマネギ萎黄病ファイトプラズマと同種とされる、ヒシモンヨコバイ媒介性のクワ萎縮病及びヌルデ萎黄病ファイトプラズマの検出には適さない。 2. 媒介虫であるヒメフタテンヨコバイからの間接ELISA法による検出は困難であるが、ウエスタンブロット法で検出可能である。 3. 検定に必要な抗体は当研究室から供給可能である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 萎黄病 萎縮病 診断技術 たまねぎ |