タイトル | 「かたち」を定量的に計測・評価するためのプログラムパッケージSHAPE |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
鵜飼保雄(東京大学) 岩田洋佳 |
発行年度 | 2003 |
要約 | SHAPEは、作物の器官等のデジタル画像から輪郭を抽出し、その輪郭形状を楕円フーリエ記述子とその主成分スコアにより定量的に計測・評価する。主成分として抽出された形状特徴は視覚的に確認でき、そのスコアは形状特徴の計測値として解析・評価に供することができる。 |
キーワード | 画像解析、チェーンコード、楕円フーリエ記述子、主成分分析 |
背景・ねらい | 農作物の形は収量や品質に関係する重要な形質であり、重要な育種対象のひとつである。また、農作物の形は重要な分類指標のひとつであり、品種登録時の特性として記録される。これまで農作物の形は、長さ、面積、角度などの組み合わせで評価するか、段階評価でスコアリングするのが一般的であった。しかし、このような方法では形を正確に評価することは難しい。輪郭形状を数学的に記述する手法のひとつである楕円フーリエ記述子(elliptic Fourier descriptors: EFD)は、客観的かつ定量的に形を記述できることから動植物の器官の形の評価に有効に用いられ、遺伝解析等でも成果を挙げている。そこで、EFDに基づく形の定量的評価法を、パソコン上で汎用的に利用するためのプログラムパッケージSHAPEを作成した。 |
成果の内容・特徴 | 1) EFDを用いた形の評価に伴う一連の解析(画像解析、EFDの導出、EFDの標準化、主成分分析、輪郭の再構築)をすべてMS-Windows上で行うことができる(図1)。 2) 画像解析プログラム(ChainCoder)は、デジカメ等で撮影されたフルカラービットマップ画像から、対象物の輪郭情報を抽出し、チェーンコードとしてファイルに保存する(図2)。 3) EFD導出・標準化プログラム(Chc2Nef)は、チェーンコードとして保存された輪郭情報からEFDを導出し、輪郭の向き・大きさ・計測開始点の位置などの情報に対して標準化を行う。 4) 主成分分析プログラム(PrinComp)は、EFDの分散共分散行列に基づく主成分分析により形状特徴を抽出し、そのスコアを計算する。ユーザーは寄与率などを基にスコアを計算する主成分数を指定できる。 5) 輪郭再構築プログラム(PrinPrint)は、主成分として抽出された形状特徴を視覚化する(図3)。 6) EFDの主成分分析によって得られた形状特徴に関するスコアは、タブ区切りテキストとして保存され、各ユーザーの目的に沿った解析・評価に供することができる。 |
成果の活用面・留意点 | 1) 果実、花弁、葉などの器官の形状を品種の形態特徴として定量的に計測し、データベース等に登録できる。また、品種の分類や判別にも応用できる。 2) 動植物の形を定量的に計測し、その遺伝様式等を通常の量的形質と同様の手法で解明できる。 3) Webページhttp://cse.naro.affrc.go.jp/iwatah/shape/よりダウンロードして自由に使用できる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 育種 カラー データベース 評価法 品種 |