タイトル | 稲麦用収量コンバイン |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター |
研究期間 | 1998~2003 |
研究担当者 |
ヤンマー農機(株) 近江度量衡(株) 栗原英治 市川友彦 杉山隆夫 西村 洋 静岡製機(株) 内間亜希子 牧野英二 林 和信 澁谷幸憲 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 収穫した穀物の含水率、質量を収穫作業と同時工程で位置情報とともに測定記録できる装置を搭載した自脱型コンバインである。 |
キーワード | コンバイン、収量、水分、水稲、マップ、プレシジョンファーミング |
背景・ねらい | 適正な施肥設計と環境負荷低減の両立を目指した日本型水稲精密農業を実現するためには、生育情報、収穫情報などを高精度に測定できる装置を備えた機械による作業が前提となるが、満足できる機械はまだ市販されていない。とりわけ、収穫情報は適正な施肥設計のための情報として、また、乾燥施設や受託作業における委託農家への的確な情報として基本となる情報であり、これを収穫作業と同時工程で取得できる装置を装備したコンバインを開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 本機は、水分測定部、収穫量測定部、制御・表示部からなる穀物収穫情報測定装置を搭載した自脱型コンバインである(図1、表1)。収穫物の含水率、質量等を収穫作業と同時工程で測定し、ほ場一筆毎や、ほ場内の小区画毎の収量を表す収量マップ等を作成するための情報を取得できる。水分測定部は電気抵抗式(複粒式)、収穫量測定部はロードセルにより測定したタンクの荷重を傾斜センサで補正する方式である。 2. オペレータは、作業開始前に圃場番号と面積が入力してある制御表示部の画面を操作し、圃場番号を選択する。 3. 収穫作業中は、収穫物の含水率(%)、質量(kg)等がリアルタイムで表示でき、作業終了後、ほ場全体の収穫量(kg)、この値と入力された面積から求めた収量(kg/10a)、平均含水率(%)とその変動を表示・記録する。外部へデータの受け渡しを行えば、収量マップ、水分マップを作成できる他、ほ場内の小区画毎の収量マップについては、GPSを備えた農用車両用ナビゲーターを装着しても作成できる。 4. 含水率は、水稲(試験範囲:17.2~32.3%)及び小麦(試験範囲:14.7~35.8%)ともに、低含水率から高含水率まで精度良く測定できる(図2)。 収穫量は、水稲、小麦いずれの場合も高精度に測定できる(図3)。 5. 滋賀県及び新潟県で計20ha、約80筆の圃場の試験に供試し、収穫情報を取得できることを確認した。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 大規模農家や受託農家において、収穫情報の測定手段、乾燥施設への情報提供手段、並びに翌年の施肥設計や施肥効果の確認手段として利用できる。 2. 収穫シーズンのはじめには、各測定部の校正を行うことが望ましい。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 環境負荷低減 乾燥 小麦 GPS 水稲 施肥 |