タイトル | フェニトロチオンは水稲乾田直播における鳥用忌避剤として有効 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
吉田保志子 百瀬 浩 山口恭弘 藤岡正博(現筑波大学) |
発行年度 | 2004 |
要約 | 種籾をフェニトロチオン乳剤(MEP50%)100倍希釈液に浸漬して播種すると、キジバト、スズメに対し、既登録忌避剤のチウラムと同等程度の食害防止効果がある。 |
キーワード | フェニトロチオン、水稲乾田直播、キジバト、スズメ、忌避剤、鳥害 |
背景・ねらい | 水稲直播栽培では、播種後の鳥害が大きな問題であり、低コストで省力的な防除手段として忌避剤への期待は大きい。しかし、水稲に使える忌避剤は有効成分で1種類しかなく、その魚毒性はC類であることから、これまでの室内試験結果から有望であったフェニトロチオン(平成12年度研究成果情報・総合農業・生産環境部会)の乾田直播における鳥害防止効果を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 図1)。 2. 図1)。これは、識別剤なしでは鳥がフェニトロチオン処理の有無を区別できずに、全てが処理種籾と判断して両方を忌避するためと考えられる。 3. 図1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. フェニトロチオンの魚毒性はB類で、C類のチウラムに比べて使用場所の制約が少ない。種籾1kgあたりのフェニトロチオン使用量は約5gで、チウラム80%水和剤の浸漬処理(適用種:スズメ)での使用量80gに比べて大幅に少なく、チウラム40%フロアブル剤の塗沫処理(適用種:スズメ、ハト、キジバト、カラス、カワラヒワ)での使用量約8gと比べてもADI(1日許容摂取量)換算で1/3となる(浸漬処理では薬剤を1リットルの水で希釈し1kgの種籾に使用するとして計算)。 2. フェニトロチオン(MEP)は鳥用忌避剤としては登録されていないため、試験研究目的以外で用いてはならない。また、イネシンガレセンチュウ対策の登録使用方法(1000倍希釈液に6~72時間浸漬)の10倍濃度であるため、実用化には適用拡大ではなく新たな手続きが必要である。 3. 湛水直播のカモ害およびダイズのハト害対策についても圃場試験を行い、忌避効果の不足や作物への薬害とみられる症状のために活用の見込みが低いことを確認している。 |
カテゴリ | 病害虫 乾田直播 直播栽培 水稲 大豆 鳥害 低コスト 播種 防除 薬剤 |