ニホンナシの自発休眠打破には過酸化水素処理が有効

タイトル ニホンナシの自発休眠打破には過酸化水素処理が有効
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 果樹研究所
研究期間 2003~2007
研究担当者 黒田治之
緒方達志
杉浦俊彦
杉浦裕義
朝倉利員
発行年度 2004
要約  自発休眠覚醒と並行して増加する植物体内成分である過酸化水素をニホンナシに処理すると自発休眠打破が促進される。
キーワード ニホンナシ、過酸化水素、自発休眠、気候温暖化、休眠打破、萌芽率
背景・ねらい
 ニホンナシは自発休眠覚醒に対して明確な低温要求性を示すため、気候温暖化が休眠覚醒を妨げ、栽培南限を北上させる可能性がある。また施設栽培は労働分散を実現するための有効な手段となっているが、休眠覚醒に有効な低温期間が減少すると早期の加温が困難となるため、施設栽培の作型が縮小され、その有効性が制限される。これら休眠期の低温不足の問題を解決するために、生産現場では休眠打破剤の使用が多くなる可能性がある。そこで、休眠覚醒に伴って植物体内で増加する過酸化水素(H size="-2">2O size="-2">2)の休眠打破効果を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
自発休眠状態にあるニホンナシ「幸水」の切り枝に過酸化水素水を塗布処理し、25℃の人工気象室内で水挿し培養すると、無処理よりも萌芽が促進されて萌芽率が高くなる。すなわち、過酸化水素には自発休眠打破効果がある(図1)。
2.
効果がみられた過酸化水素濃度は、0.25~10%である(図1)。
成果の活用面・留意点 1.
本知見は、ニホンナシ等で現在実用化されているシアナミド剤を補完する新たな自発休眠打破剤の開発に大きく役立つと期待される。
2.
花芽の休眠状態の調査結果(図2)から、今回処理を行った11月下旬~12月上旬は自発休眠から完全に覚醒する2~4週間前に該当する。
3.
実際の技術として利用するためには、品種、処理濃度、処理時期、効果の安定性や薬害の有無等についてさらに検討し、植物成長調整剤等としての登録が必要である。
図表1 211385-1.jpg
図表2 211385-2.jpg
カテゴリ 施設栽培 低温要求性 品種

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