検量線作成精度向上のためのリンゴ「ふじ」みつ入り程度の評価

タイトル 検量線作成精度向上のためのリンゴ「ふじ」みつ入り程度の評価
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター
研究期間 2001~2004
研究担当者 工藤和典(果樹研)
増田哲男
中元陽一
藤澤弘幸
別所英男(果樹研)
発行年度 2004
要約 画像計測を用いた果実内のみつ入りの近似的な全量の計測により、精密なみつ入りの評価が可能となり、検量線作成の精度が向上する。赤道面よりこうあ側1cmの切断面のみつ入りの面積割合は、果実内のみつ入りの全量の簡易推定に利用できる。
背景・ねらい
近年、多くの選果施設は、近赤外分光法を用いた非破壊品質評価装置を備えており、リンゴ「ふじ」では、果重、着色度などに加えて、糖度、みつ入りなど内部品質要因を選果項目として用いている。これらの選果には、統計的に作成した検量線が用いられており、検量線の良否が選果の精度に影響を与える。糖度については、実用的な精度が得られているが、みつ入りについては十分な精度が得られていない。従来のみつ入りの評価は、果実の赤道断面の目視による指数(0~4)で行っている。この方法は、簡便かつ迅速に行えるが、値が離散値になり、客観性に欠ける。そこで、検量線作成精度の改善を図るための、みつ入りの評価法を開発する。
成果の内容・特徴 1.
果実を赤道面を中心として平行に複数切断し、各断面のみつ入りの分布状態を比較すると、切断位置がわずかに異なると分布状態は変化する。慣行の目視による評価は赤道断面で行われているが、正確に赤道面で切断しないと誤った評価を行う恐れがある(図1)。
2.
赤道面を中心に1cm間隔で切断し、切断面のデジタルカメラ画像の輝度情報を用いて、各切断面におけるみつ入りの面積率を求め、これらから果実内のみつ入りの近似的な全量割合を算出する。みつ入りの全量割合を用いて近赤外分光の検量線を作成し、慣行の目視指数による検量線と精度の比較を行うと、みつ入りの全量割合を用いて作成した検量線は、慣行の目視指数を用いた検量線より精度が高くなる。(図2)。
3.
果実内におけるみつ入りの全量割合の算出は、複数断面の画像計測を行う必要があり、時間を要する。赤道断面より1cmこうあ側(維官束が屈曲する部位の近傍)の切断面の面積割合は、みつ入りの全量と相関が高く、みつ入りの全量の簡易推定に利用できる(図3)。
成果の活用面・留意点 1.
実内のみつ入りの全量割合により作成する検量線を用いると、非破壊品質評価装置でのみつ入りの推定精度の向上が可能である。
2.
ふじ」の「果芯みつ」の全量割合の簡易推定法については検討が必要である。
3.
画像の色彩情報の処理、画素数を計測をすることができるソフトウエアが必要である。
図表1 211499-1.jpg
図表2 211499-2.gif
図表3 211499-3.gif
カテゴリ 評価法 りんご

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