フィールドサーバを高機能化するコア基板「フィールドサーバエンジン」

タイトル フィールドサーバを高機能化するコア基板「フィールドサーバエンジン」
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2004~2005
研究担当者 胡浩明
深津時広
平藤雅之
発行年度 2005
要約  フィールドサーバの心臓部は計測用Webサーバである。計測用Webサーバ基板「フィールドサーバエンジン」はセンサを16chまで接続できる(従来は4ch)。交流信号の出力機能及び半導体リレーを搭載し、安価な湿度センサの駆動、照明機器や暖房機等の遠隔制御に利用できる。
キーワード フィールドサーバ、Webサーバ、電子回路
背景・ねらい  フィールドサーバは無線LAN及びインターネット経由で現場をモニタリングする小型計測装置である。フィールドサーバの機能はコア基板である計測用Webサーバ基板の性能に依存している。また、センサによっては交流信号源や信号増幅用IC等を必要とし、コストアップ及び故障の要因となる。そこで、これらの機能を一枚の基板に搭載したコア基板「フィールドサーバエンジン」を開発し、フィールドサーバの機能を飛躍的に高める。
成果の内容・特徴 1.
フィールドサーバエンジン(図1)の緒元は表の通りである。従来のフィールドサーバは、市販基板(PICNIC)を用いていたため、A/Dコンバータのチャンネル数が4chであり、センサは4種(主に気温、湿度、日射量、土壌水分)までであった。A/Dコンバータのチャンネル数が16chとなり、センサを16個まで接続できるようになった。
2.
DDSによって湿度センサが必要とする交流信号(1kHz程度)を供給できる。この交流信号を使うと、通常の湿度センサ(8000円)の代わりに家電組込用の安価な湿度センサ(500円)を利用できる。また、簡単な電極を用意するだけで、土壌水分、農産物の含水率、EC(電気伝導度)等を計測できる。さらに、スピーカを接続すると可聴域から超音波までの音響信号を簡単に発生させることができる。フィールドサーバにスピーカとマイクロフォンを組み込むことで、音波式風速計をソフトウェアで構成できることを実験で確認した。
3.
ROMに書き込まれたソフト(ファームウェア)は、Webサーバ機能、計測データの表示、IPアドレスの変更、パスワードによるアクセス制限、高速データサンプリング、 DDSが生成する周波数の設定、リレーのON/OFF等の機能を有し、全てブラウザのみで操作できる(図2)。このソフトはOSを使用せず、高速かつコンパクトである。C言語のみで書かれているため、C言語のプログラミング経験があればファームウェアの拡張やカスタマイズを行うことができる。
4.
高精度A/Dコンバータは高精度(24bit)かつノイズが少ないが、変換時間が遅いため(最大サンプリング速度は617サンプル/秒)、気温や湿度、日射量等を精密に計測するのに適する。一方、H8内蔵A/Dコンバータは低精度(10bit)であるが、高速であるため(最大サンプリング速度は300kサンプル/秒)、音(音声など)や振動(地震など)の計測に適する。
成果の活用面・留意点 1.
本フィールドサーバエンジンを搭載したフィールドサーバは(株)イーラボ・エクスペリエンス(http://www.elab-experience.com/)から市販される予定である。
2.
ECセンサ、3次元風速計測機能等は、今後、フィールドサーバに実装できるようにする予定である。
図表1 211518-1.jpg
図表2 211518-2.jpg
図表3 211518-3.gif
カテゴリ コスト モニタリング

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