里地放牧技術の診断票

タイトル 里地放牧技術の診断票
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2004~2005
研究担当者 岡崎泰裕
小山信明(畜草研)
千田雅之
福田栄紀(近中四農研)
発行年度 2005
要約  中山間地域における肉用牛繁殖経営を対象とする、里地放牧技術の診断票である。放牧馴致、家畜衛生と生産、放牧施設整備と安全対策、草地管理、畜産経営の革新、地域農業への貢献の6局面についてチェックリストを用いて診断を行うことにより、ポイントを明確にした里地放牧技術の改善や指導が可能になる。
キーワード 中山間、肉用牛、里地放牧、技術診断、診断票、チェックリスト
背景・ねらい  畜産経営の改善に寄与し社会的支持の得られる里地放牧の普及を図るためには、多角的に放牧技術および放牧を活用した営農活動等の点検を行い、改善方向を示す必要がある。そこで、中山間地域の肉用牛繁殖経営を対象に、放牧技術、放牧を活用した営農技術・地域貢献活動等について診断票を策定する。
成果の内容・特徴 1.
放牧技術の診断局面は、家畜の放牧馴致、家畜衛生と生産、放牧施設整備と安全対策、草地の維持管理、畜産経営の革新・他営農への活用、地域農業・社会への貢献の6局面であり、各局面の評価点は1∼8点になるようにしている(表1)。
2.
家畜の放牧馴致は、家畜の周年舎飼が一般的であることから放牧の展開や普及に不可欠な診断局面であり、戸外環境への馴れ、採草行動の習熟、飼主との信頼関係構築の観点からチェックリスト(診断項目)を設ける。
3.
家畜衛生と家畜生産は、優れた草地管理にもかかわらず家畜生産の劣る経営がみられ、周囲の畜産農家が放牧に踏み切らない原因になっていることから診断局面に必要である。放牧牛の栄養状態の配慮、疾病や事故発生の有無と対策、発情観察や分娩方法と繁殖成績等、家畜生産への配慮に焦点をあてて診断項目を設けている。
4.
放牧施設整備と安全対策は、放牧時には家畜の事故や疾病のリスクが大きくなることから診断局面に取り上げ、家畜の行動を理解した危険箇所の回避や施設の適切な設置と点検活動等、リスク低減活動について診断項目を設ける。また、里地での放牧利用は、圃場の裸地化や泥濘化、水系汚染など畜産公害を招きやすいため、草地の維持管理を診断局面に取り上げ、持続的草地維持の活動について診断項目を設けている。
5.
放牧導入は家畜飼養や農地管理の省力化を介して、新たな経営発展や中山間地域農業再編の可能性を有している。そこで、里地放牧の導入による経営発展および地域貢献等を診断局面とし、放牧を契機とする新たな畜産技術開発、ファーミングシステムの構築等に関わる活動、地域への放牧普及活動や地域の問題解決の取り組みなどについて診断項目を設けている。
成果の活用面・留意点 1.
この診断票を用いて放牧実施経営の技術診断を行い、各診断局面の評価点をレーダーチャート等に示すことで、放牧実施経営や実施地域の放牧技術水準を点検するとともに、技術レベルを高めるために取り組むべきポイントが明確になる。
2.
里地放牧技術の診断局面とチェックリスト、評価点は、放牧普及率の高い島根県大田市の放牧先進農家、普及員、獣医師、JA、自治体、家畜保健衛生所職員を交えて策定し、畜産草地研究所放牧管理部の意見を踏まえ修正を加えたものである。チェックリストの点数は参考値とする。
図表1 211524-1.gif
カテゴリ くり 経営管理 飼育技術 省力化 中山間地域 肉牛 繁殖性改善 放牧技術

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