タイトル |
排出ガス認証試験のための低コストPM測定技術 |
担当機関 |
原動機第2試験室 |
研究期間 |
2004~2004 |
研究担当者 |
杉浦泰郎
高橋弘行
清水一史
積栄
千葉大基
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発行年度 |
2006 |
要約 |
トラクタ等のディーゼル特殊自動車の排出ガス試験のために、低コストなマイクロトンネルを導入し、これを用いたPM(粒子状物質)測定手法や技術を確立し、他の排出ガス成分測定装置や周辺設備をあわせて設置し、排出ガス認証試験に供するものである。
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キーワード |
マイクロトンネル、PM、粒子状物質、特殊自動車、型式検査、トラクタ
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背景・ねらい |
トラクタ等のディーゼル特殊自動車に関し排出ガス規制が開始されたため(19kW以上560kW未満)、低コストなマイクロトンネル(排出ガスの一部を分割して採取し、空気で希釈した後、その全量が採取フィルタを通過する。)を導入してPMの測定技術を確立するとともに、他の排出ガス成分測定装置や周辺設備を拡充して排出ガス認証試験に供する。
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成果の内容・特徴 |
- マイクロトンネルを導入した排出ガス測定設備(図1)により、機関回転速度、トルク及びガバナの位置を制御して排出ガス成分(CO、NOx、HC、CO2等)、PM、黒煙、出力、燃費、吸入空気流量、各部温度・圧力、大気条件(温湿度、大気圧)等を測定し、19~200kWの機関出力試験、ディーゼル特殊自動車8モード排出ガス試験、無負荷急加速黒煙試験等の認証試験に供する。PM測定方式は、マイクロトンネル(図2)とし、従来からの標準的な計測方法である全流希釈トンネル(全流希釈・部分捕集方式の通称フルトンネル)と比べ、低コスト(約1/10)、省スペース(約1/15)である。
- 排出ガス測定設備により、67kW直接噴射式機関を用い、分割比、希釈排出ガス流量、計測条件等を変えて、24通りの排出ガス試験を行った。測定値は、吸排気温度・圧力、冷却水温、吸気湿度、燃料温度・圧力等の機関運転状態や大気条件の影響を敏感に受けるため、機関室空調、吸排気圧力調節、吸気温湿度制御、冷却水温度調節及び燃料温度圧力調節装置等の周辺設備を拡充し、測定精度向上を図っている。
- 測定結果から、マイクロトンネルは低コストな反面、国が定めた測定の技術基準にある希釈排出ガス温度、最小捕集質量、捕集フィルタ上の圧力上昇、各モードの正確な捕集量等を満たすには、測定上の制約が厳しいことが明らかとなっている。正規な測定結果とするためには、供試機関のPM値に見合う適切な分割比、希釈排出ガス流量、捕集時間等の条件設定が重要であることを確認している。分割比の制御精度向上を図るために、バイパスフィルタを大容量式に変更してその負圧上昇を抑え、また、バイパスフィルタ側に新たに圧力調整用絞り弁を装備してあらかじめ捕集フィルタ側と同程度の負圧を与え(図3参照)、各モードでの捕集開始時における捕集フィルタ側の圧力変動を低減する改良を加えている。
- 140kW(インタークーラ過給機付)の直接噴射式機関を用い、国の規定する同等性確認実施要領に準拠してフルトンネルとマイクロトンネルを直列に配置して比較試験を実施したところ、フルトンネルとの差は、3回の平均として±5%以内であり(表参照)、測定精度は、記載される要件を満たしている。
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成果の活用面・留意点 |
- 農林水産省の実施する型式検査の機関排出ガス性能試験、鑑定及び研究等に使用する。
- PM規制値が更に強化された時には、測定精度向上のため、マイクロトンネル希釈空気をさらに清浄にして供給する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
クロトン
測定技術
低コスト
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