ステレオカメラシステムを用いたトラクタの自動追従技術

タイトル ステレオカメラシステムを用いたトラクタの自動追従技術
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
研究期間 2003~2007
研究担当者 ヤンマー農機(株)
井関農機(株)
後藤隆志
山下貴史
小倉昭男
松尾陽介
津賀幸之介
塙圭二
富士重工業(株)
北海道大学
濱田安之
発行年度 2007
要約  畝列や作物列、作業跡など各種農作業における作業対象や作業目標の3次元位置情報を検出できるステレオカメラシステムを搭載し、検出した畝列などの位置情報に基づいてトラクタを対象に自動追従させる技術である。
キーワード ステレオカメラ、トラクタ、畝列、作物列、自動追従、運転支援
背景・ねらい  農業従事者の減少や高齢化が進む中、熟練者でなくても農用車両作業を高能率・高精度に行うことができ、オペレータの負担も軽減される運転支援技術が求められている。自動車分野では運転支援用ステレオカメラシステムなどが既に実用化されている。この自動車用のシステムをトラクタ用の運転支援システムとして改造・適用し、自動操舵が行えるトラクタに搭載して、畝列などの作業対象への自動追従が行えるようにする。
成果の内容・特徴
  1. 畝列や作物列、作業跡など各種農作業における作業対象や作業目標の3次元位置情報を検出できるステレオカメラシステム(以下、「SIPS」という。)を搭載して、畝列などの対象にトラクタを自動追従させる運転支援技術である。
  2. SIPSは、自動車用ステレオカメラシステムの耐振動性を高めるとともに、比較的近距離の画像を高精度に取得する改良を行ったもので、トラクタのボンネット前方(地上高1.1m程度)、またはキャブ前方(同2.7m程度)に装備し、左右に回動可能としてトラクタ前方や左右前方の地面1.5m四方程度を撮像するようにしたものである。また、SIPSは畝列などのステレオ画像を取得し、画像処理を行って対象までの距離と対象列の向きを検出する。画像の取得や処理は組込みソフトウエアにより実行され、各種対象の検出における画像処理の特徴等を表に示す。同表の検出部分の高低差が10cm程度以上ある場合にSIPSによる検出が確実に行われ、検出情報はシリアル通信で出力される。
  3. 自動追従を行うトラクタは、市販トラクタをベースに自動操舵が行えるよう改造し、SIPSからの情報を受信して操舵制御信号などを演算、出力するコントローラを搭載したものである。SIPSからの障害物検出や行程端接近情報を受けてアラーム発生や非常停止を行う機能も有している。クローラ型の自動追従トラクタを図1に示す。
  4. 自動追従トラクタによる作業として、ロータリ耕やプラウ耕作業では前行程の作業跡に対し一定間隔を保つ自動追従が行われ、バレイショの収穫作業では収穫畝に対し一定位置を保つ自動追従(図2)が高精度に行われる。また、水田畦の畦塗り作業では元畦に倣う自動追従が行われ、畝立て作業では前行程の形成畝に対し一定間隔を保つ自動追従が高精度で行われる(図3)。これらの自動追従の精度は、追従走行の予定経路からの偏差がほぼ±5cm以内(速度1.0m/s程度まで)である。
成果の活用面・留意点
  1. トラクタほかの農用車両の運転支援技術として活用できる。
  2. SIPSはトラクタへの搭載状況により組込みソフトのパラメータ調整が必要である。
図表1 211644-1.jpg
図表2 211644-2.jpg
図表3 211644-3.jpg
図表4 211644-4.gif
カテゴリ 画像処理 水田 ばれいしょ

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