RNA干渉法によるイネ萎縮ウイルス抵抗性イネの作出

タイトル RNA干渉法によるイネ萎縮ウイルス抵抗性イネの作出
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2005~2007
研究担当者 清水巧 (契約研究員)
大村敏博
発行年度 2007
要約  イネ萎縮ウイルスのゲノムの一部を用いて、ウイルスmRNAの発現を抑制するようにデザインしたDNAベクターを用いて形質転換したイネはイネ萎縮病に対して明瞭な抵抗性を示す。
キーワード イネ萎縮ウイルス、RNA干渉法、形質転換植物、抵抗性
背景・ねらい  イネ萎縮ウイルスは東北アジアにおけるイネの重要なイネ生産阻害要因の一つである。イネウイルス病の防除には抵抗性品種の利用が有効な方法の一つであるが、イネ萎縮病の病原であるイネ萎縮ウイルスに対する抵抗性品種は報告されていない。近年、飛躍的に解析が進んできた植物等の宿主とそれに感染するウイルスとの間における分子応答機構に関する知見の中で、RNA干渉法がウイルス抵抗性イネの作出に有効である可能性が示唆されている。そこで、本手法を適用し、イネ萎縮ウイルス抵抗性の付与を行う。
成果の内容・特徴
  1. イネ萎縮ウイルスの分節ゲノムS12の一部を用い、ウイルス遺伝子の発現を抑制するようにデザインしたDNAベクターを構築する(図1)。すなわち、図中の目的geneとしてイネ萎縮ウイルスのcDNAを用い、アンチセンス-GUS linker-センスの順に連結することによりヘアピン型RNAが転写されるように構築する。
  2. サザン解析により、本形質転換イネから導入遺伝子が検出され、系統によって1~5コピー挿入されている(図2)。
  3. 本形質転換イネの自殖第一代(T1)の内、PCR法によって導入遺伝子が検出されたものは媒介昆虫を用いたウイルス接種において、100個体全てが病徴を示さない(図3)のに対し、原品種イネ(日本晴)では50個体中47個体が、また、DNAベクターのみを導入したイネは20個体中19個体が病徴を示す。
  4. 観察した範囲において、草丈、草型、発芽程度は原品種との間に差異はない。
成果の活用面・留意点
  1. イネ萎縮病の発生抑制及び各種ウイルス病抑制技術の開発に利用または応用される。
図表1 211656-1.gif
図表2 211656-2.jpg
カテゴリ 病害虫 萎縮病 抵抗性 抵抗性品種 品種 防除

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