小明渠浅耕播種機の作溝用サイドディスクの最適取付角度

タイトル 小明渠浅耕播種機の作溝用サイドディスクの最適取付角度
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2006~2007
研究担当者 深見公一郎
渡辺輝夫
増田欣也
発行年度 2007
要約  小明渠浅耕播種機の作溝用サイドディスクの取付角度を、現行の25°から20°にすることによって、ディスク背面の摩擦抵抗を発生させることなく、ディスク破損の要因となるけん引抵抗を2~4割低減できる。
キーワード 小明渠、浅耕、サイドディスク、けん引抵抗
背景・ねらい  小明渠浅耕播種機(成果情報2004)は、水田における大豆・麦栽培において湿害を軽減させつつ大幅な省力作業ができることから東海地域で普及が拡大しつつある。しかし、不適切な作業条件(推奨範囲外の作溝深さや作業速度)で播種作業を行うと、小明渠作溝用サイドディスクが破損する場合がある。そこで、サイドディスクの破損防止と耐久性の向上を図るために、ディスクに作用する負荷(けん引抵抗)を低減する方法を検討する。
成果の内容・特徴
  1. けん引負荷を低減させるために、サイドディスクの取付角度(円板角)を現行の25°から20°および15°にすると、切削断面積(投影面積)が2および4割減少する(図1)。
  2. 作溝作業時のけん引抵抗の平均値(平均けん引抵抗)は、20°よりも15°のほうが相対的に大きくなる(図2)。これは、取付角度19.2°以下では、作溝時にディスクの背面が土壌と接触し摩擦抵抗が発生するためである(図1)。
  3. 取付角度15°および25°では、土壌硬度が増加すると平均けん引抵抗が顕著に増加するが、20°では土壌硬度の影響は相対的に小さい(図2)。
  4. 作業速度0.6~1.0m/sの範囲において、平均けん引抵抗は取付角度25°が最も大きく15°、20°の順に小さくなる(図3)。
  5. 作溝深の増加に伴って平均けん引抵抗は直線的に増加するが、取付角度を25°から20°にすることによってその傾きを小さくでき、作溝深7~12cmでは平均けん引抵抗を2~4割低減できる(図4)。
  6. 排水試験(注3)を行ったところ、降雨80mm、12時間後の畦中央部表層の体積含水率は、取付角度25°で28%、20°で31%、15°で41%となり20°と25°の差は相対的に小さい。
成果の活用面・留意点
  1. 小明渠作溝部の耐久性向上のための基礎資料となる。
  2. 取付角度20°は、現在使用しているサイドディスク(M社 NSD400-LXR08)に対応するものであり、異なる形状(直径、曲率半径)については検討が必要である。
  3. サイドディスクの取付角度20°用の部品は受注生産でメーカから入手可能である。
図表1 211659-1.jpg
図表2 211659-2.jpg
図表3 211659-3.gif
図表4 211659-4.gif
図表5 211659-5.gif
図表6 211659-6.gif
図表7 211659-7.gif
図表8 211659-8.gif
カテゴリ 湿害 省力作業 水田 大豆 播種

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