ロールベール調製された稲発酵粗飼料成分測定のためのサンプリング法

タイトル ロールベール調製された稲発酵粗飼料成分測定のためのサンプリング法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2005~2007
研究担当者 石田元彦
新出昭吾(広島県立総技研畜産技術セ)
西口靖彦(近中四農研)
井上 貢(千葉県畜産総合研究セ)
発行年度 2007
要約  TMRセンター等に搬入される稲発酵粗飼料ロールベール全体を代表する乾物、粗蛋白質、粗灰分、繊維の含量は、5個のロールベールを無作為に選び、各ロールから分析用試料採取を1回行い分析すれば、どの成分でも±2.5%以内の誤差で測定できる。
キーワード 稲発酵粗飼料、化学成分、サンプリング法
背景・ねらい  稲発酵粗飼料はTMRセンター等を介することで、国産飼料増産に役立つものとして期待されている。しかし、稲発酵粗飼料の化学成分組成や栄養価は刈り取り時期、水田の場所などによって変わるので、正確な飼料設計を行ったり、混合飼料(TMR)の成分を安定させるためには配合前に分析して成分を把握する必要がある。この場合、搬入される数多くの稲発酵粗飼料を代表する成分を小さな誤差で測定できるようなサンプリング法の開発が必要である。一方、コアサンプラーを用いれば、ロールベールを解体せずにサンプリングできる。
そこで、コアサンプラーを用いて、飼料イネ専用収穫機で調製された稲発酵粗飼料の乾物、粗蛋白質、粗灰分、繊維の含量測定のためのサンプリング法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. コンバイン型飼料イネ専用収穫機で調製、搬入されたロールベールを無作為に選び、図1に示すようにロールベールの一列、ほぼ等間隔の5カ所からコアサンプラーを約24cmまで挿入して試料を採取、混合して1点の分析用試料として分析した場合の成分測定の誤差は、ロールベール間およびロールベール内のバラツキの大きさの分散と分析誤差の分散であり、その大きさは表1に示すようである。
  2. 経費を考慮した最適反復数は、採取するロールベールを1個、ロールベールからの試料採取と分析を各1回増やすための費用をそれぞれ3,000円、2,273円、3,000円とすると、ロールベール内からの試料採取が1~2回で、分析は1回である(表2)。
  3. ロールベール内からの試料採取と分析の回数をそれぞれ1回として、採取するロールベールの数を2から5個に変えて95%信頼区間を計算すると、5個を採取した時にどの成分でも95%信頼区間が2.5以下となる(図2)。
  4. 以上のことから、5個のロールベールを無作為に選び各ロールから1点の分析用試料を採取して1回分析すれば、どの成分でも±2.5%以内の誤差で測定できることが分かる。
成果の活用面・留意点
  1. コアサンプラーは、採取筒の直径7.5cm、長さ25cmのものを用いる。このタイプのコアサンプラーは、市販されている。
  2. サンプリングと分析の経費が異なる場合は、表2に示す方法で計算できる。
  3. ロールベールを一旦積み上げるとサンプリング用のロールベールを無作為に採取することは困難であるので、TMRセンターや農家への搬入時に採取すると便利である。
図表1 211661-1.gif
図表2 211661-2.gif
図表3 211661-3.gif
図表4 211661-4.gif
カテゴリ 収穫機 飼料設計 水田

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