タイトル |
南米および日本のダイズ紫斑病菌個体群の遺伝的構造 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 |
2003~2007 |
研究担当者 |
今﨑伊織
小泉信三
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発行年度 |
2007 |
要約 |
南米と日本から分離したダイズ紫斑病菌は、7つの遺伝子型グループ(I~VII)に類別できる。グループIおよびIIIは両地域に共通して分布する。また、グループIは両地域で優占している。
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キーワード |
ダイズ紫斑病菌、遺伝的構造、南米、日本
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背景・ねらい |
ダイズ紫斑病菌は、保菌種子によって伝搬される。近年、薬剤耐性系統の発生や種内での遺伝的分化が報告され、種内系統の識別・検出技術の開発が求められている。そこで本研究では、これら技術開発の基礎情報を得るため、日本と南米(アルゼンチンおよびブラジル)の個体群の遺伝的構造を解析する。
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成果の内容・特徴 |
- アルゼンチンの2州(CórdobaおよびSanta Fe)およびブラジルの3州(Maranhäo、Mato GrossoおよびParan á)から分離した160株と日本の15県(青森、岩手、秋田、山形、宮城、茨城、埼玉、新潟、福井、長野、鳥取、岡山、愛媛、佐賀、大分)から分離した245株を供試した(表1)。
- DNA多型検出技術のひとつであるAFLP(Amplified Fragment Length Polymorphism)法を用いて、DNAフィンガープリント分析すると、南米と日本産の菌株は7つのグループ(I~VII)に類別できる(表1)。
- グループIおよびIIIは、両地域に共通して分布している(表1)。
- グループIは両地域で優占しており、その分離頻度は南米で0.85、日本で0.91である。
- グループIには多数の遺伝子型が存在し、その中には両地域に共通して検出される遺伝子型も認められる(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 南米には日本に存在しない遺伝子型グループが検出できる。このようなグループの侵入を防止するために農業用種子の検疫はきわめて重要である。
- 本成果情報で供試した日本産菌株は、今﨑ら・平成17年度関東東海北陸農業研究成果情報およびImazaki et al. (2006) J. Gen. Plant Pathol.72(2):77-84で薬剤感受性検定や遺伝的構造などを解析した菌株である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
大豆
薬剤
薬剤耐性
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