タイトル |
動画を用いてキャベツ個体および食害痕の有無を自動で検出する方法 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 |
2003~2007 |
研究担当者 |
松尾健太郎
屋代幹雄
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発行年度 |
2007 |
要約 |
走行する台車に取り付けたカメラで1条ずつキャベツの動画を撮影し、エッジの検出などの画像処理によってキャベツの個体および食害痕を検出する方法である。食害痕のあるキャベツ個体の検出精度は、約80%である。
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キーワード |
画像処理、エッジ、円形度、キャベツ、食害痕
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背景・ねらい |
キャベツ作において、数個体を目視により調査し食害痕の有無から農薬の散布開始時期を決定することが可能である。さらに散布間隔を食害痕の情報から決定するには全個体を調査する必要があると考えられる。そこで、自動で生育初期から後期まで全個体の食害痕の有無を検出できる方法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 天気や日時の変化の影響をできるだけ排除した状態で撮影を行い、食害痕の有無の検出を行う方法である。そのために照明が設置してある覆いが取り付けられた台車の中で撮影を行う(図1)。条間と株間の範囲が撮影できるようにカメラを台車に設置する。
- 画像処理の方法は、キャベツ個体が画面の中央にあるかどうか(個体の全体像が撮影できているかどうか(個体の検出))を検出し、中央にあった場合に食害痕の有無(食害の検出)を検出する(図2)。1サイクルの処理時間は、平均0.9sである。
- 個体の誤検出を防ぐために、個体の検出直後から一定の間隔を空けて個体の検出を再開する(図2)。そのために、株間と走行速度から空ける間隔を決定する。
- 個体の検出方法は、R値からエッジを検出し(Prewittの方法)、大きさごとに個体中心の検出方法を変える(図2・3)。
- 食害痕の検出方法は、原画像を400分割し分割画像の平均彩度値を算出し平均彩度値以下の画素を対象にエッジを検出し(Prewittの方法)、エッジの連結成分ごとに円形度を計算し、一定の値以上の連結成分を食害痕として検出する(図2・4)。
- 個体の検出精度は、約91%である。また、食害痕の有無の検出精度は、食害痕がない固体の検出精度は約70%、食害痕のある個体の検出精度は約80%である。
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成果の活用面・留意点 |
- 個体の大きさも取得できるので、生育管理のための情報取得装置として使用することが可能である。
- プログラムは、画像処理開発ソフトなどは使用せずにgccコンパイラなどの無料で構築できる開発環境で作製した。無料で配布することも可能である。
- 撮影前に作業速度と株間を設定する必要がある。
- 食害痕の数の検出に利用するには、検出精度が高くないので改良が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
画像処理
キャベツ
農薬
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