汎用コンバインの大豆収穫時における汚粒発生低減技術

タイトル 汎用コンバインの大豆収穫時における汚粒発生低減技術
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
研究期間 2007~2008
研究担当者 栗原英治
三菱農機(株)
杉山隆夫
中山夏希
日高靖之
梅田直円
発行年度 2008
要約  汎用コンバインの揺動選別機構や大豆専用交換部品(ふたや底板等)に対してフッ化樹脂コートを施すとともに、排出オーガ縦パイプの側面に対して土抜き用のスリットを設けることによって、大豆収穫時における汚粒発生を低減させることができる。
キーワード コンバイン、大豆、高品質、汚粒、フッ化樹脂コート
背景・ねらい  近年、日本の大豆自給率は極めて低く、国産大豆の生産増大が期待されている。一般的に、大豆の収穫には、汎用コンバインや大豆用コンバインが広く利用されている。コンバインによる大豆の収穫を行う際、汚粒が発生しないように注意する必要があるが、収穫時間や天候の影響、あるいは土や雑草等を咬み込んだ場合、汚粒が発生してしまうのが現状である。そして、このことは大豆の品質を低下させる1つの要因であり問題点となっている。そこで、大豆の高品質生産を目的として、コンバインの収穫時における汚粒発生を低減させることができる技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 本技術は、汎用コンバインにおける揺動選別機構の全面および大豆収穫時の専用交換部品(ふたや底板等)に対して、フッ化樹脂コート(膜厚20~30μm)を施すこと、そして、グレンタンク以降の穀粒搬送経路である排出オーガ縦パイプの側面に対して、収穫穀粒に混入した土を抜くためにスリットを設けることを特徴としている(図1)。 全面フッ化樹脂コートを施した揺動選別機構においては、フィンへの夾雑物等の付着が軽減される(図2)。また、オーガ排出時においても、排出オーガ縦パイプの側面にスリットが設けられているため、穀粒以外の夾雑物が除かれる。 本技術を用いることにより、従来機と比較して、より水分が高くても穀粒損失を増加させることなく、大豆収穫作業時の汚粒発生割合や汚染度を低減させることができる(図3)。よって、推奨の収穫開始時刻(茎水分40%以下)より1時間程度早い水分域(目安とされる茎水分45%程度)にも適応できるため、コンバインの稼働時間拡大に寄与できる。 本技術を用いた実証試験において、2年間にわたり約90haの大豆を収穫したが、汚粒の低減効果が持続していることから、フッ化樹脂コートの耐久性については実用的なレベルであると現地の評価を得ている。
成果の活用面・留意点
  1. 2009年度以降に、汎用コンバインに採用し、実用化する予定である。 本技術は、大豆用コンバインにも利用可能である。 大豆収穫作業時の汚粒の発生が低減されるため、大豆の高品質生産に寄与できる。

図表1 211701-1.jpg
図表2 211701-2.jpg
図表3 211701-3.gif
カテゴリ 病害虫 雑草 大豆

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