チモシーを基幹とする採草地に対する施肥改善効果の長期実証

タイトル チモシーを基幹とする採草地に対する施肥改善効果の長期実証
担当機関 北海道立根釧農業試験場
研究期間 1993~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約  チモシーを基幹とする採草地に対し、草種構成と土壌診断に基づいた施肥改善を行うことにより、マメ科草混生割合が良好で、地下茎型イネ科草の侵入が少ない生産性の高い草地を長期間維持可能であることを実証した。
背景・ねらい  草地造成及び更新後の牧草収量の経年的な低下を防止し、粗飼料の低コスト生産に資するため、1977~1986年の間、毎年同一条件でチモシー・マメ科草混播草地を造成し、根室管内の平均的な施肥(慣行区:N-P2O5-K2O-MgO=9.1-9.5-13.1-2.9kg/10a・年間)、マメ科草混生割合によって定めた植生区分による窒素施肥及び土壌診断に基づくリン酸、カリ、石灰、苦土の適性施肥(改善区)、マメ科草回復のための窒素減肥(窒素減肥区)を行い、施肥改善効果を長期にわたって実証する。
成果の内容・特徴
  1.  慣行区では経年的なマメ科草混生割合の低下、地下茎型イネ科草の侵入に伴う草種構成の悪化により乾物収量が減少し(図1)、その大きな要因として草種構成に基づかない一律の窒素施肥(9.1kg/10a)と、カリ施肥量の不足があげられる。

  2.  改善区の草種構成は、チモシー割合では慣行区と変わらないが、アカクローバの混生割合が慣行区では3年で5%を下回ったのに対して、改善区では2年程度の維持年限の延長が認められる。また、改善区ではシロクローバの混生割合が良好に維持され、地下茎型イネ科草の侵入も少ない(図2)。
  3.  改善区の乾物収量は1番草で慣行区の20%増、栄養収量はTDN収量で30%増、CP収量で20~45%増であり、栄養収量の増加はマメ科草収量の増加と地下茎型イネ科草の減少によるものである(図3)。
  4.  マメ科草混生割合5~15%の植生区分3(年間の窒素施肥量10kg/10a)の混播草地を対象に、植生区分1(マメ科草混生割合30~50%)に準じて窒素を4kg/10a施肥した窒素減肥区は、改善区と比較すると乾物収量はやや低下したが、マメ科草の回復に対しては明らかな効果が認められ、慣行区と比べると乾物収量の増加、マメ科草の回復が明瞭であった(図4)。
成果の活用面・留意点  寒地のチモシーを基幹とする採草地に適用する。
図表1 211773-1.gif
図表2 211773-2.gif
図表3 211773-3.gif
図表4 211773-4.gif
カテゴリ 肥料 寒地 施肥 低コスト 土壌診断

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