加熱処理による規格外農産物の飼料化技術

タイトル 加熱処理による規格外農産物の飼料化技術
担当機関 北海道農業試験場
研究期間 1994~1997
研究担当者
発行年度 1995
要約 ばれいしょ、ながいも、にんじん、たまねぎなどの規格外農産物を水分調整剤と混合して80℃、3.5~8時間の加熱処理によって飼料化出来る。この飼料は牛の嗜好性も良好である。
背景・ねらい  
 近年、北海道ではたまねぎ、ながねぎなど根菜、野菜の作付が増加している。選別場では農産物の規格外品が大量に出て、これらは産業廃棄物として処理されている。そこでこの残渣を飼料として有効利用する技術を開発する。
成果の内容・特徴
     ばれいしょ、ながいも、にんじん、たまねぎを原料に、安価で入手が容易なふすま、醤油粕を水分調整材に用いた。飼料調製は原料を装置に投入し、80℃で一定時間加熱乾燥して行った。製品の評価は飼料成分分析並びに家畜による消化試験、採食試験で行った。
    ① 原料の混入割合は35~60%であり、それらを調整材と混和して装置に投入し3.5~8時間加熱、3時間冷却を行う事で、水分含量6~19%の製品を調製することが出来た。また歩留まりは92~96%であった。(表1)
    ② 飼料成分のうち水分は醤油粕を用いた区が高い傾向を示した。粗蛋白質も醤油粕を用いた場合2~3%高まった。ADF含量は13~30%の範囲でばれいしょ区が最も低く、たまねぎ区が高かった。NDF含量はたまねぎ区が高く、ついでながいも、にんじん区の順で、ばれいしょ区が少なかった。(表2)
    ③ それぞれのTDN含量(醤油粕を調整材にしたもの)はながいも75%、にんじん77%、ばれいしょ77%、たまねぎ81%であった。ふすまを調整材にした場合はいずれも前者より6~7%高く、ばれいしょ84%、ながいも82%、にんじん84%、たまねぎ85%であった。(表2)
    ④ 乳牛はいずれも採食し、嗜好性は問題がなかった。
成果の活用面・留意点 ①野菜・根菜選別場から出る副産物の飼料化に活用できる。
②飼料調製に当たっては材料によって乾燥時間が異なるので、予備試験が必要である。
図表1 211798-1.gif
図表2 211798-2.gif
カテゴリ 乾燥 たまねぎ 乳牛 にんじん ねぎ ばれいしょ

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