| タイトル | 産直における消費者へのメッセージ伝達モデル |
|---|---|
| 担当機関 | 北海道農業試験場 |
| 研究期間 | 1996~1996 |
| 研究担当者 | |
| 発行年度 | 1996 |
| 要約 | 産直による産消交流では、消費者へのメッセージとなる農産物の特性を流通過程で維持することと、その特性を定める栽培ガイドラインなどの規則(コード)を産消が共有することが必要である。そこでこれらの条件を論理式で記述したメッセージ伝達モデルを開発した。 |
| 背景・ねらい | 近年、都市在住の消費者から様々な形で農村との交流に対するニーズが強まっている。なかでも産直は、流通経路も多様化し取扱高も拡大傾向にある。但し、これらの産直の中には交流ではなく単なる流通にとどまっている例も多く見られる。そこで、どのような場合に産直が生産者と消費者の交流となるのかを解明することが求められている。この課題では、産直におけるメッセージ伝達モデルを開発し、問題の発見および解決に役立つ方策を提示する。 |
| 成果の内容・特徴 |
①ある産直品が例えば「市場流通品より安全である」という特別な性質を持っていることを消費者に理解してもらうためには、そのメッセージ(Me)の媒体(Ma)となる農産物(x)が収穫の時点(t0)で持っていた安全性という性質を、消費者の手に渡る時(tn)まで維持しなければならない(式F-1)。 ②配送された農産物から消費者が読み取るメッセージは一つとは限らない。例えば減農薬農産物の虫食いの跡を「安全性」ではなく「規格外」とみなすこともある。そこで農産物の「安全性」に関する栽培ガイドラインのように、ある媒体からメッセージを一つだけ選ぶ規則(コード)を取り決め、生産者(A)が農産物にメッセージを与える際に従ったコード(Co1)と同じコード(Co2)を消費者(B)も所有(h)する必要がある(式F-2)。 (2)モデルの事例への適用1(条件を二つとも満たしているケース):生産者アンケートの結果、彼らの産直品に対する評価が3つのグループ(Ⅰ安全性、Ⅱ一般的品質、Ⅲ価格)に分類された産直において、5段階評価で4点以上を獲得した「安全性」が生産者からのメッセージと判断できる(図2)。このメッセージに関しては、流通過程で安全性が維持され(式F-1)かつ栽培ガイドラインの取り決めがある(式F-2)ので、二つの条件はともに満たされており、交流は成立していると予想される。実際、消費者アンケートでもこの「安全性」というグループは4.58と高い評価を得た。これら両者の平均の差について検定を行ったところ、メッセージは消費者によって確かに受け取られていることが確認された(表1)。 (3)モデルの事例への適用2(片方の条件を満たしていないケース):生産者が産直品に5つのメッセージ(安全・安心・新鮮・美味・安価)を与えている事例において二つの成立条件を調べた結果、「安価」というメッセージに関してだけはコードが存在しておらず、式F-2を満たしていなかった。すなわちこの産直では春の契約時に全体として農業経営が成り立つように作物ごとの価格を固定しているので、実際に品物が届く頃の市況によっては「価格が安い」と言えない場合もあり得る。そこでこのメッセージは産消間で共有されていないと推測できる。現実にアンケート結果からも、生産者が期待するほど消費者はこの点について評価していないことが明らかとなった(表2)。 |
| 成果の活用面・留意点 | このモデルを用いることで交流の成立していない事例の問題点を指摘し、改善方向を示すことができる。ただしこれは生産者から消費者へメッセージを伝達する過程に限定されるので、消費者からの反応については別途検討を行う。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| カテゴリ | 病害虫 経営管理 農薬 |
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