| タイトル | 花粉の形成期に蓄積し、冷害の発生に関与する新しい糖質 |
|---|---|
| 担当機関 | 北海道農業試験場 |
| 研究期間 | 1997~1997 |
| 研究担当者 |
刈屋国男 川口健太郎 |
| 発行年度 | 1997 |
| 要約 | イネの雄しべには、花粉の生育に同調して高濃度のアラビノガラクタンプロテインとアラビノガラクトオリゴ糖が順に蓄積する。低温(12℃)はこれら糖質の代謝を阻害するが、耐冷性の強い品種ほど阻害されない傾向がある。北海道農業試験場・畑作研究センター・品質制御研究チーム[連絡先] 0155-62-9278 |
| 背景・ねらい | 作物の冷害(障害型不稔)は、雄しべの中で花粉を形成する生化学反応が低温によって阻害されることによって起こる。有効な冷害対策技術を効率的に開発するためには、冷害の発生メカニズムを基礎的に理解し、問題解決のターゲットを絞りこむ必要がある。このため、花粉の形成に関わる数多くの物質の中から、冷害の原因となるキー物質を発見することをねらいとした。 |
| 成果の内容・特徴 | 1. 低温に極めて弱い生育時期の雄しべには、アラビノガラクタンプロテイン(AGP)とアラビノガラクトオリゴ糖という糖質が、前後して高濃度に蓄積することを初めて発見した。 図1ステージ2→3)に同調している。 (図2)。 4. 以上の結果より、イネの雄しべに発見されたAGP及びオリゴ糖は花粉の形成にとって重要な役割を果たしている物質であると同時に、低温下でのこれら糖質の代謝阻害が花粉の生育障害を引き起こす原因の1つであると推定される。 |
| 成果の活用面・留意点 | 1. 本知見及び研究方法は作物全般にわたり、遺伝的雄性不稔や花粉形成のメカニズムの解明に活用できる。人工気象器内のポット試験による結果であること、冷害の原因には他にも複数の要因が関与していることに留意する必要がある。 |
| カテゴリ | 凍害 品種 |