タイトル |
冷凍米飯向け原料米の加工適性と評価 |
担当機関 |
北海道立中央農業試験場農産化学部穀物利用科 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
大村邦男
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発行年度 |
1997 |
要約 |
調理・加工米飯の流通及び消費性向を明らかにした。原料米の炊飯特性、冷凍適性、官能評価、貯蔵性と内部成分との関連性を検討し、冷凍米飯の加工適ついて評価基準を策定した。この基準をもとに北海道米品種の加工適性を示した。
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背景・ねらい |
米の用途拡大を図るための対策の一つとして、消費の伸びが著しい流通米飯の加工適性に 関する評価基準の策定が求められている。そこで、食品加工業界や消費者が求める米の内容 を明らかにするとともに、加工米飯全体の74%を占める冷凍米飯向け原料米について加工適性 を解析して内部成分に基づく評価基準を示し、北海道米の評価を行う。
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成果の内容・特徴 |
- 米飯加工メーカー、外食産業が原料米を選定する際には外観品質の安定性と味やつやを優
先していた。また、外食産業の半数で業務の効率化を図るために調理済み米飯の使用を希望 していた。
- 調理米飯に関する意識調査では、ピラフ用の米には比較的硬く粘りの少ないものを求めて
いたが、官能試験ではほどほどの硬さと粘りのある米が好まれた。
- 原料米の白度と冷凍米飯の製品白度との関連性はみられなかった。タンパク含量の高い米
では浸漬時の吸水性が低く、製品歩留まりは低い傾向を示した。また、アミロース含量の高 い米は、浸漬時の吸水性、加熱時の製品歩留まりが低い傾向を示した(表1)。
- 粒離れを判定するために「ほぐれ度」を評価したところ、タンパク含量8%以下で粒離れが
悪く、アミロース含量が20%以下でも同様の傾向を示した(図1)。粒離れからみた米飯の硬 さの適正値はテンシプレッサーで約8kgw以上で、タンパク含量の多少が粒離れに強く関与し ていることを表した。
- 官能評価からみた冷凍米飯向け原料米の適正値は、タンパク含量7~9%、アミロース含量18
~23%で(図2)、この時のテンシプレッサーの値は、硬さ7~8kgw, 粘度0.5~0.7kgwであ った。
- 冷凍米飯の貯蔵期間中における水分、テクスチャーの変化は明らかではなかったが、タン
パク含量の高い米では氷晶水分の発生が少なかった。
- 現在原料米に使用されている「ゆきひかり」を対照に、北海道米の冷凍米飯としての適性
を評価すると、「きらら397」「空育150」「ほのか224」はほぼ同等、「きたいぶき」「ゆき まる」はやや劣るものとみられた(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本試験の成果は、米の集荷、販売業者が、加工米飯(冷凍ピラフ)の原料米を選定する際
の基準に用いる。なお、当基準はバラ凍結の冷凍米飯に適用する。
- 部成分によって仕分けされた米の用途を区分するうえで参考にする。
- 米の用途拡大に対応した新品種の開発や栽培技術を検討する時の参考にする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
加工
加工適性
栽培技術
新品種
ばら
評価基準
品種
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