タイトル |
低動力型散気管方式を用いた乳牛ふん尿処理技術 |
担当機関 |
北海道立根釧農業試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
数系統に分岐させた曝気槽据付けの散気管を、タイマ制御の電磁弁で曝気する低動力型散気管方式では、電力消費量はエジェクタ方式の4分の1である。臭気の低減には貯留容量の約100倍の曝気量で十分である。
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背景・ねらい |
乳牛スラリー散布時の悪臭に対応するため、曝気を行っているが、曝気システムが大型化の傾向にあり、設置および運転コストを増大させている。低コストに臭気を軽減させるために、曝気動力を小型化・効率化できる散気管方式について検討を行う。
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成果の内容・特徴 |
- 固液分離液を用いた曝気では、曝気中のスラリーの温度は曝気開始1か月後に最高になり(表1)、曝気中の水分には大きな変化はなく、pHは8.0から8.6に上昇する(図1)。粘度は原料に比較し、10mPa・s程度小さくなる。急激な発泡時の泡は、貯留容量の0.05%程度のオイルを投入して、消泡が可能である。曝気2ヶ月後で積算通気量が貯留容量の約100倍に達した時点で臭気強度は50000から1000にまで減少する。このときの体積あたりの積算電力量は3.7kWh/m3でエジェクタ方式の4分の1である。曝気2ヶ月後で全窒素量は約8%減少する(表2)。
- 臭気および処理液の成分変化を判断すると、固液分離液に比べ、生スラリーの曝気効果は小さい。固液分離液の曝気では、積算通気量が貯留容量の約100倍に達した時点で、乾物積算風量比(積算風量/乾物重)は2.6m3/kgになるが、生スラリーではこの値に達するのは極めて困難であるため、ばっ気処理をする場合には、固液分離した液分を使う。
- スラリーの粘度が水よりも大きいことや、沈殿物による詰まりや配管の圧力損失、供給電圧の変動を考慮し、貯留深さの2倍の静水圧で必要風量の4割増の能力を有するブロアを選択する必要がある(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 臭気軽減を目的に曝気をする場合は積算通気量を貯留容量の100倍にする。
- 発泡が著しいときは、食用油等を貯留容量の0.05%加えることで、消泡が可能である。
[平成10年度北海道農業試験会議成績会議における課題名および区分] 課題名:低動力散気管方式を用いた乳牛ふん尿処理技術(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
コスト
低コスト
乳牛
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