タイトル |
スラリー処理におけるスカム発生の防止 |
担当機関 |
北海道立根釧農業試験場 |
研究期間 |
1994~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
雨水の混入しない貯留方式(地下ピット、バッグ貯留)では、スカムの発生はみられない。しかし、雨水の混入するラグーン貯留ではスカムの発生が見られ、スラリー重量に対し30%以上の加水で固層と液層の分離が発生する。
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背景・ねらい |
根釧管内のフリーストール牛舎の糞尿はスラリーとして処理されることが多い。その際、スラリー粘度の低下やスカム発生の防止などにより、スラリー取り扱い性を向上させる必要がある。そこで、スラリー貯留槽の構造・配置および糞尿性状等の実態を明らかにするとともに、スカム発生メカニズムの解明し、その防止策を提示する。
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成果の内容・特徴 |
- 地下ピットまたはバッグ貯留のように、雨水の混入しない貯留方式では、スカムの発生はみられない。しかし、雨水の混入するラグーン貯留や、地下貯留でもスラット床で、地下ピットのスラリー搬出口が開いている農家ではスカムの発生がみられる。
- スラリーに対し10%加水撹拌区では分離の発生はみられない。16%の加水撹拌区では2ヶ月程度で液層の発生がみられるが、その量はきわめて少ない。30%の加水撹拌区では、静置後1~2ヶ月で液分と固形分(沈殿と液上部の固形分)の3層に分離する。39%の加水撹拌区では静置後2週間程度で分離が開始し、2ヶ月後には4層に分離する。また、60%の加水撹拌区では、静置後数日から2週間で分離が始まり、2.5ヶ月で4~5層に分離する(表2、3)。
- 実験装置での加水撹拌後の糞尿の分離の発生は、実際の場面でのスカムの発生と考えられる。
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成果の活用面・留意点 |
- スラリーに対し30%以上の雨水等が混入する場合には、2週間に一度、十分に撹拌することでスカムの発生が防止できる。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
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