タイトル |
大豆の省力・多収栽培技術 |
担当機関 |
農業機械科北海道立北見農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
道央・上川および道東において大規模な現地実証により大豆の多収・省力技術の有効性を検証した。密植、窒素追肥、燐酸増肥による増収効果、損失5%以下、汚粒を軽減させるコンバイン収穫条件、汚粒クリーナ処理能力、機械除草効果を明らかにした。コンバイン収穫体系により労働時間は半減した。
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背景・ねらい |
大豆を含む豆類は適正な輪作体系を維持する上で重要であり、実需者からは良質な道産大豆の安定供給が求められている。安定生産・省力化の推進、品質向上に努め、収益性の高い大豆生産の確立を進めて作付け面積の拡大を図る必要がある。このため、高位生産と省力化の総合的な栽培指導指針を得るため農試、行政、地域が一体となって推進する豆類安定生産技術実践事業を実施してきた。
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成果の内容・特徴 |
- 道央・羊蹄山麓では1.5倍程度の密植、道央・上川の他の地帯では標準栽植本数の確保により収量300kg/10aは可能である(表1)。
- コンバイン収穫では主茎長55~70cm、最下着莢位置14cm程度、倒伏程度中以下となる栽培管理を行う(表1)。
- 茎水分35%以下では汚粒発生が少ない。地際から20cmの茎表面に「ぬめり」が認められる場合は汚粒発生の危険性が高い。汚粒多発時には高刈りを実施する(表1)。
- コンバインでは汚れ指数2.0以下で収穫することが必要である(表1)。
- 密植による増収効果は十勝で7%、網走で5%である。十勝の地力が高く栽植本数が少ない地帯では密植効果が高い。網走の「トヨコマチ」は標準の1.5倍程度の密植が適当である(表2)。
- 開花期の窒素追肥は開花前の生育が劣るときに行い、燐酸増肥は気象条件から初期生育が不良となりやすい地帯において行うことが効果的である(表2)。
- 機械除草は3~4回程度必要であり、回数が少ないほど雑草との競合により主茎長が長く倒伏傾向にある(表2)。
- コンバイン収穫の脱穀選別部損失は0.5%未満、総損失は「カリユタカ」で2%程度、その他の品種で5%前後である(表2)。
- コンバインを導入した改善作業体系により、作業時間は半減できる(表1表1、表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 道央・上川:高位生産の実証試験成績は同地方の気象・土壌条件の類似する地帯の大豆栽培に適用する。コンバイン収穫試験成績は収穫時の茎水分が高く、汚粒の発生しやすい地域に適用する。汚粒クリーナ試験成績は大粒系で子実水分18~20%の成果であるため、小粒大豆や低水分大豆では処理状態に留意する。
- 道東:十勝及び網走地方での大豆栽培に適用する。
[平成10年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分] 課題名:大豆の省力・多収栽培技術(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
くり
栽培技術
雑草
省力化
除草
大豆
多収栽培技術
品種
輪作体系
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