タイトル |
メロンつる割病(レース1、2y)抵抗性台木新品種候補系統「空知台1号」 |
担当機関 |
北海道立花 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
「空知台1号」は、メロンつる割病(レース1、2y)抵抗性を有するメロン用台木で、近年、北海道で増加している同レース発生圃場でのメロン栽培を可能とする。
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背景・ねらい |
北海道におけるメロンつる割病(レース1,2y)の被害面積の拡大は急激で、同レースに対する抵抗性台木の育成は、本道のメロン産地にとって緊急を要する重要課題である。メロンつる割病(レース1,2y)に対し強い抵抗性を持ち、台木として利用できる品種の育成を目標とする。
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成果の内容・特徴 |
- 胚軸径は、台木品種「金剛1号」よりやや細い。このため接ぎ木作業はやや難しいが、接合面の癒合は正常であり接ぎ木親和性に特に問題はない。
- つる割病(レース1,2y)未発生圃場では穂木の両性花着生率・着果率は対照と差がなく、着果期までの草勢もほぼ同等である。しかし、着果以降の草勢が未発生圃場において対照よりやや劣る場合がある。
- つる割病(レース1,2y)未発生圃場では果実外部・内部品質ともに対照とほぼ同等で、発生圃場においては果実外部・内部品質ともに対照よりやや優れる(表3)。
- つる割病(レース1,2y)未発生圃場における収量性は対照よりやや劣るが、発生圃場における収量性はやや優れる(表3)。
- つる割病菌レース1,2yに対しては実用上問題のない程度の強い量的抵抗性を有する(表1、2)。また、レース0に対しては質的抵抗性を有しているが、レース2に対する抵抗性は有しない。
- 低温期において穂木の生育がやや劣る場合があることから、ハウス促成及び半促成栽培の4月中旬までに定植する作期では生産が不安定となることがある。また、ハウス抑制栽培では未検討である。
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成果の活用面・留意点 |
- 本台木は、レース1,2yによるメロンつる割病の発生が確認された圃場で利用する。
- 汚染度が高い圃場では菌密度を低下させる処置(土壌消毒)と併せて「空知台1号」を用いる。
- 低温期における栽培では品質・収量が不安定となることが懸念されるため、適応作期は4月下旬以降定植の作期とする。
- つる割病菌レース2に対する抵抗性を有しないため、レース2が発生している地域での利用は避ける。
- 充分な胚軸径を確保するために、播種日は穂木の播種日より7~10日前とする。
- 草勢の強い品種を穂木に用いる場合は、定植後、特に着果期以降の草勢を落とさないよう注意する。
[平成10年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分] 課題名:メロンつる割病(レース1,2y)抵抗性台木「空知台1号」(普及奨励)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
栽培技術
新品種
台木
接ぎ木
抵抗性
土壌消毒
播種
品種
メロン
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