タイトル |
フリーストール牛群の飼養管理と乳牛行動 |
担当機関 |
北海道立根釧農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1998 |
要約 |
フリーストールにおいて飼養密度の増加により乳牛の1日の横臥時間、採食時間は減少し、その影響は2産以上の牛に比べて初産牛のほうが大きい。フリーストールにおける反芻頭数は1日を通じて牛群全体の約35~40%である。
|
背景・ねらい |
フリーストール牛群への移行期、群分け基準別の牛群行動への影響を調査することによって、フリーストール群管理上の留意点を示す。
|
成果の内容・特徴 |
- フリーストール農家における牛群行動の調査
1.管内12戸において24時間乳牛行動観察を行い、行動と乳量、飼養密度との関係を調査した。 2.21頭当たりの牛床数が1.0以下の農家と1.1以上の農家の1日の平均横臥時間には有意差がなく、横臥時間は牛舎構造や敷き料の影響が大きい(表1)。 3.1頭あたりの牛床数が一番少ない農家において、全横臥時間に占める0~5時の割合は初産牛が25%であり、2産以上の牛(30%)よりも少ないが、6~11時の割合は初産牛で29%と2産以上の牛(23%)より多い傾向があり、初産牛は夜間の横臥の不足分を昼間に補っている(図1)。 4.1頭当たりの飼槽幅が70cm以上の農家の2産以上の乳の1日の平均採食時間は307分であり、70cm以下(259分)よりも長い(表2)。 5.1日の反芻頭数は牛群の35~40%であり、搾乳前後以外は1日を通じて安定している(図2)。
- フリーストール移行期の乳牛の行動調査
1.初産牛5頭および経産牛3頭のフリーストール移行後3日間、4~7日間、2週目、4週目、8週目の3日間の乳牛行動と乳量、血液成分との関係を調査した。 2.フリーストール移行3日間の初産牛の採食時間は219分であり、2産以上の牛(287分)よりも有意に短かったが、移行後2週目には初産牛の採食時間は264分まで増加し、2産以上の牛(315分)との有意差はなくなる。
- 飼養密度と乳牛の群分け基準別の乳牛の行動調査
1.初産牛5頭と2産以上の牛10頭の合計15頭の小群を用いて、1度に利用可能な飼槽数と牛床数を15,10,5頭分に減少させたときの乳牛行動と乳量、飼料摂取量の関係を調査した。 2.15頭に対して利用可能な飼槽数が5になると、2産以上の1日の採食時間は297分、初産牛の採食時間は235分となり、初産牛において飼槽数の減少による影響は大きい傾向がある。15頭に対して利用可能な牛床数が5になると、2産以上の1日の横臥時間は554分、初産牛の横臥時間は594分となったが、通路で横臥する初産牛が見られる(表3)。 3.飼槽数および牛床数の減少により、乳量がやや低下する傾向が見られたが、乾物摂取量への影響は見られず、飼養密度と生産性の関連については今後検討が必要である(表4)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 反芻行動の評価には、搾乳前後それぞれ約2時間を除いた、牛群に占める割合を用いる。
[平成10年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分] 課題名:フリーストール経営における飼養管理と経済性評価(指導参考)
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
図表5 |
 |
図表6 |
 |
カテゴリ |
経営管理
飼育技術
乳牛
|