水稲の苗腐病抵抗性検定法の確立

タイトル 水稲の苗腐病抵抗性検定法の確立
担当機関 北海道立上川農業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 湛水直播栽培における苗立ち不安定要因の一つである苗腐病のPythium sp.(fillamentous)とAchlya sp.の抵抗性検定法について、菌の増殖手順(温度、培養基、菌糸および遊走子の増殖)と、接種方法(菌糸浮遊液接種および遊走子接種)の手順をマニュアル化した。
背景・ねらい 近年、北海道稲作は低コスト化、省力化が急務であり、直播栽培への期待が大きい。湛水直播栽培では苗立ち不安定要因の一つである苗腐病が問題となっている。そこで、本病に対する抵抗性選抜の簡易な検定法を確立し、湛水直播栽培用品種の育成に寄与する。
成果の内容・特徴
  1. 発病条件:葉鞘伸長期の低温は苗腐病の発病を助長する。湛水・低温下では無接種でも苗立ちは低下し、湛水下でも酸素不足とならなければ苗立率は高い。湛水による酸素不足が苗立ち不良に及ぼす影響は大きい。
  2. 菌の培養:Pythium sp.(fillamentous)の増殖はV8Aで平板培養後、白米液体培地(白米100粒/水1000cc)で培養する。培養温度は20℃とする。遊走子形成は白米液体培地で7~10日間、ペトリ液で7日間前後の培養が適当である。Achlya sp.の増殖は平板はCMAが適当で、その他はPythiumとほぼ同様でる。
  3. 接種方法:菌糸浮遊液接種および遊走子接種は抵抗性検定に利用できる(表1、表2)。検定には芽長0.5cm程度の催芽種子を用い、接種期間はおおよそ低温処理(10℃暗黒8時間-15℃照明16時間)は10日間、引続き高温処理(15℃暗黒8時間-18℃照明16時間)10日間が適当である。播種深度は0.5~1.0㎝、水深は1.0~1.5㎝が、育苗土としては砂が適当である。
  4. 抵抗性検定:Pythium sp.(fillamentous)の菌糸浮遊液接種と遊走子接種の検定ではDunghn Shali、緑系90595の発病株率は低い傾向にあった。
成果の活用面・留意点
  1. 菌糸浮遊液接種は苗腐病抵抗性選抜の一手法として使用する。
  2. 検定の使用に当たっては温度管理や種籾の出芽程度の違いで発病が回避される傾向があるので留意する。
  3. 標準品種を決め比較の対照とする。
[平成11年度北海道農業試験会議成績会議における課題名および区分]
課題名:水稲の苗腐病抵抗性検定法の確立(研究参考)
図表1 212019-1.gif
図表2 212019-2.gif
図表3 212019-3.gif
図表4 212019-4.gif
カテゴリ 育苗 温度管理 直播栽培 省力化 水稲 抵抗性 抵抗性検定 低コスト 播種 品種

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