タイトル |
てんさいのテンサイモグリハナバエと小麦のムギクロハモグリバエの被害許容水準 |
担当機関 |
北海道立北見農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
てんさいおよび小麦(春まき小麦、秋まき小麦)に対して行った切葉試験により、てんさいのテンサイモグリハナバエおよび小麦のムギクロハモグリバエに対する被害許容水準を設定した。
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背景・ねらい |
畑作物の減農薬栽培技術を体系化する上で、防除対象となる全ての病害虫について被害許容水準、要防除水準を設定することが求められる。そこで、てんさいのテンサイモグリハナバエ、小麦のムギクロハモグリバエについて切葉試験による被害解析を行い、少発条件下での不要な防除の削除および多発条件下での的確な防除を可能にする。
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成果の内容・特徴 |
- 移植栽培てんさいの切葉による被害解析では、根中糖分に差は認められず、影響は根重にあらわれた。
- 12葉期の切葉による減収率は切葉面積率(被害面積率)との間に相関が高い(図1)。
- 粗収入(10万円/10a)と防除費用(2000円/10a/回)の関係から2%が経済的に許容できる減収率と考えられる。これから、12葉期における被害面積率21.9%、被害程度3以上の被害葉5枚/株、被害葉率42%が被害許容水準と考えられる。また、産卵開始からの累積卵粒数23.2粒/株、累積卵塊数5卵塊/株が要防除水準と考えられる(表1)。
- 12葉期(道東地域で6月20日頃)における達観調査で、被害株率が100%に達していない場合は、以降の調査は不要で、防除の必要もない。被害株率が100%に達している場合、50株を調査して食害面積が葉面積の1/4を越える葉(被害程度3以上)が、株当り5枚(被害葉率42%)を越えたら、直ちに防除を実施する。
- 小麦のムギクロハモグリバエ成虫の発生期(6月中旬)に成虫による上位2葉の食痕葉率(10茎5カ所、茎50茎調査)が50%を上回っていたら幼虫による被害が被害許容水準に達する可能性が高い。
- 6月下旬に調査し、春まき小麦では、上位2葉について葉面積の約1/2に被害を受けた被害葉率が12%、秋まき小麦では同じく16%を上回る場合には防除を実施する(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成績で示された被害許容水準を参考にすることにより、両害虫が多発した場合における防除要否を判断することができる。
- 両害虫とも、過去の事例から見ると、被害が被害許容水準を越えるような発生はほとんどない。
[平成年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分] 課題名:てんさいのテンサイモグリハナバエと小麦のムギクロハモグリバエの被害解析(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
小麦
栽培技術
てんさい
農薬
防除
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