タイトル |
コナガの防除開始時期決定のための発生予測システム |
担当機関 |
北海道立中央農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
春まき栽培キャベツにおけるコナガの防除開始時期を明確にし、適切な防除ができるよう、フェロモントラップ誘殺数とアメダス平均気温による発生予測システムを開発した。晩春まきでは定植時の粒剤施用がより効率的である。
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背景・ねらい |
キャベツにはコナガ、ヨトウガ、モンシロチョウ、アブラムシ類など、農薬に対して感受性が異なり薬剤抵抗性がつきやすい複数の害虫が同時に発生する。そのなかで、コナガの発生に即応した最適な防除を行うために、気象デ-タとフェロモントラップデ-タを活用したコナガ発生予測システムを開発する。
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成果の内容・特徴 |
- コナガが産卵を開始する限界温度は室内試験では℃前後であった。野外調査でも10~12℃であった。卵からのふ化は有効積算温量計算ではこれまでの報告ともほぼ一致した。
- 春まき栽培キャベツ(5月定植)のコナガの防除開始時期は岩手県の防除開始時期の予測システムを改良した発生予測システム(図1)で決定し(コナガフェロモントラップ5日間誘殺数合計が30頭を越え、かつ5日間(前4日間を含む)のアメダス平均気温が15℃を2日以上越えた2日後まで)、要防除水準にしたがって薬剤散布を実施すれば十分な効果が認められる。
- 本法を用いることにより、発生対応型防除とほぼ同様の十分な防除効果と収量となった(図2,図3)。なお、地域の気象データの代表としてアメダスデータの利用が可能である。
- 晩春まき(6月定植)で発生予測システムを利用すると不要な防除をすることになるので(図4)定植時に粒剤処理し、茎葉散布を実施する。その他の害虫防除は春まきに準じて実施する。
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成果の活用面・留意点 |
- 春まき栽培キャベツ(5月定植)のコナガ防除開始時期の決定には、コナガ発生予測システムを活用する。なお、フェロモントラップは防除対象圃場に設置する。
- コナガ発生予測システムは、他の春まき栽培のアブラナ科作物にも活用が可能である。
- コナガに有効な薬剤はモンシロチョウにも効果が高いことから、同時防除が可能である。ヨトウガでは6月下旬から7月中旬頃に幼虫に効果の高い薬剤を散布する。アブラムシ類は発生量が多い場合には食葉性害虫とは別に防除をする必要がある。
[平成10年度北海道農業試験会議における課題名及び区分] 課題名:コナガ発生予測システムの開発-春まき栽培を中心として-(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
あぶらな
害虫
キャベツ
栽培技術
抵抗性
農薬
フェロモン
防除
薬剤
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