タイトル |
Verticillium dahliaeの検出培地の改良 |
担当機関 |
北海道立中央農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
土壌からのVerticillium dahliaeの検出法に用いられている検出培地中の、PCNB水和剤とブラストサイジンS乳剤の添加量をそれぞれ1/2と2倍に変え、これにさらにカスガマイシン塩酸塩液剤を1000μl/l添加した、より精度の高い検出培地(PPBK培地)を開発した。
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背景・ねらい |
土壌からのV.dahliaeの検出法で用いられている検出培地では、数種の糸状菌が生育する場合が多く、土壌によっては検出精度が悪くなる。この試験では、土壌からのV.dahliaeの検出精度を向上させるため、検出培地の改良を行うことを目的とした。
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成果の内容・特徴 |
- 改良すべき標準培地(田村ら、1985)では典型的なV.dahliaeのコロニ-が生育するが、雑菌も多数生育するため、雑菌の生育を抑制するように改良する必要がある。
- 標準培地中のブラストサイジンS乳剤の添加量は、従来の2倍がより適する。
- 供試した32種の薬剤のうち、カスガマイシン塩酸塩液剤(1000μl/l)、硫黄水和剤F(500μl/l)、ペンシクロン水和剤F(500μl/l)がV.dahliaeの検出培地の改良に利用できる(表-1)。
- PCNB水和剤とブラストサイジンS乳剤をそれぞれ標準培地の添加量の1/2と2倍に変え、これにさらにカスガマイシン塩酸塩液剤を1000μl/l添加したPPBK培地がV.dahliaeの検出培地として最も優れている(表-2)。
- PPBK培地の組成は次のとおりである。
- 基本培地(ツァペック培地):蒸留水1l当たり寒天15g、ショ糖7.5g、硝酸ナトリウム2g、塩化カリウム0.5g、硫酸マグネシウム0.5g、リン酸水素二カリウム1g、硫酸第一鉄10mg
- 加用する抗菌物質:基本培地を溶解後45~50℃に冷えたところで、1l当たり次の抗菌物質を添加する。PCNB(75%)水和剤37.5mg、ストレプトマイシン硫酸塩100mg、ポリオキシン複合体(10%)水和剤500mg、ブラストサイジンS(1%)乳剤0.5ml、カスガマイシン塩酸塩(2.3%)液剤1ml、5gのエタノ-ルに溶かしたクロラムフェニコ-ル250mg
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成果の活用面・留意点 |
- 浮上法と篩分け法による土壌からのV.dahliaeの検出用培地として利用できる。
[平成10年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分] 課題名:Verticillium dahliaeの検出培地の改良(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
薬剤
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