タイトル |
園芸廃棄物処理施設におけるだいこん中のパーティシリウム黒点病菌の殺菌効果 |
担当機関 |
北海道立中央農業試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
固形物に対するマイクロ高周波処理による加熱機能と、液汁に対する電離イオン化処理による除菌機能を備えた園芸廃棄物処理施設において、だいこん中のバーティシリウム黒点病菌に対する殺菌効果を確認した。
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背景・ねらい |
道内の野菜栽培地域の中には土壌病害が多発し、その罹病残渣を含む園芸廃棄物処理対策に苦慮している地域がある。マイクロ高周波装置と電離イオン化装置を組み合わせた園芸廃棄物処理施設では、園芸廃棄物中の病原菌を殺菌できるとされる。この試験では、だいこん中のパーティシリウム黒点病菌に対する殺菌効果を確認することを目的とした。
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成果の内容・特徴 |
- 小規模な園芸廃棄物処理施設において、パーティシリウム黒点病並びに萎黄病罹病だいこんを破砕・搾汁した後の固形物に、3分間以上マイクロ高周波処理することにより、固形物中の病原菌を完全に殺菌できる。
- また、そのだいこん液汁に20分間電離イオン化処理することにより、液汁中の病原菌を完全に除菌できる。
- 園芸廃棄物処理施設の大型プラントにおいて、パーティシリウム黒点病罹病だいこんを破砕・搾汁した後の固形物をマイクロ高周波処理することにより、固形物の温度は70℃以上に達し(表-1)、固形物中の病原菌を完全に殺菌できる(表-2)。
- また、そのだいこん液汁を流量調整槽で希釈し電離イオン化処理することにより、液汁中の総菌数を約100分の1に除菌できる(表-3)ことから、液汁中の病原菌も同程度(約100分の1)に除菌できるものと考えられる。
- 園芸廃棄物処理施設の大型プラントでは、最終的に河川に放流される排液のBODは60㎎/l以下になるように設計されていることから、パーティシリウム黒点病罹病だいこんを破砕・搾汁した後の液汁中の病原菌は、大部分が除菌され、河川へ放流される排液中にはほとんど存在しないものと考えられる。
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成果の活用面・留意点 |
- 園芸廃棄物処理施設を建設および運用するための参考資料として利用できる。
- 園芸廃棄物処理施設については特許出願中である(和泉鉄工株式会社)。
[平成10年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及ぴ区分] 課題名:園芸廃棄物処理施設におけるだいこん中のパーティシリウム黒点病菌の殺菌効果(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
萎黄病
だいこん
野菜栽培
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