シクラメンの輸送における灰色かび病(花シミ)発生防止法

タイトル シクラメンの輸送における灰色かび病(花シミ)発生防止法
担当機関 北海道立花
研究期間 1999~1999
研究担当者 印東照彦
発行年度 1999
要約 シクラメンは、90%以上の高湿度条件下において、一定密度の灰色かび病胞子によって汚染された花弁の表面に結露が生じて一定時間以上水滴付着状態が持続すると「花シミ」が発生する。高湿度であっても通風があり結露しない場合には、「花シミ」の発生は少ない。トラック輸送においては、70%を目標とする湿度管理、通風換気による結露防止が必要である。
背景・ねらい シクラメンの道外移出においては、輸送中に灰色かび病により花弁に暗黒色ないし灰白色の斑点(花シミ)が発生し商品性を喪失する事故が起きることがあり大きな問題となっている。このため、花シミの発生条件を解明し、防止法を明らかにする
成果の内容・特徴
  1. 花シミの発生に対する温度の影響は小さく、10~11月出荷における実際の輸送温度である10~20℃の範囲では大きな差は生じない。
  2. 湿度の影響はきわめて大きく、胞子液噴霧後直ちに通風のない状態で相対湿度を90%以上に保つと24時間以内に花シミが著しく発生する。高湿度であっても通風があり水滴が短時間で消失すると、高密度の胞子液が付着していても花シミの発生は著しく減少する(図1)。相対湿度70%以下では発生は少ない。
  3. 胞子液の付着が持続する条件下では、胞子密度1.0×102個では水と同程度であるが、1.0×103個では2日後、1.0×104個では1日後から花シミの発生が目立つ(図2)。花シミの発生を防止するためには胞子密度を一定水準以下に抑えることが必要である。
  4. 高密度の胞子液を噴霧した場合でも花弁上に水滴状態で残る時間を短かくすると花シミの発生は抑制される。花シミの発生は水滴付着時間がが6時間以内では少なく、12時間以上では著しく多い(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. シクラメンのほか灰色かび病が出やすい鉢物および苗物の長時間輸送に適用する。
  2. 栽培中の適正な管理と防除により花弁の胞子密度を抑制する。
  3. 出荷直前の潅水は控え、潅水や降雨などによる水滴付着品は乾燥させてから積み込む。
  4. 輸送中の過湿防止及び花弁表面への結露防止のため、除湿機の使用、車内の送風、外気導入による換気を行い、相対湿度70%を目標とする管理を行う。
  5. 車内温度・湿度を監視し、品温を露点温度以上に保つことにより結露を防止する

平成11年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
課題名:シクラメンの輸送中の灰色かび病(花シミ)発生防止法(指導参考)
図表1 212116-1.gif
図表2 212116-2.gif
図表3 212116-3.gif
図表4 212116-4.gif
カテゴリ 病害虫 乾燥 シクラメン 出荷調整 防除 輸送

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