タイトル |
タマネギ新品種候補系統「T-418」 |
担当機関 |
北海道農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
伊藤喜三男
駒井史訓
室 崇人
小谷野茂和
中野雅章
田中静幸
土肥 紘
入谷正樹
野口裕司
|
発行年度 |
2000 |
要約 |
タマネギ「T-418」は、中生の早で球肥大性に優れ、既存中生の早の品種よりも優れた貯蔵性を備えていることから、年内から翌年早春までの出荷期間に対応した一般青果用品種として、全道のタマネギ栽培地帯に導入可能である。
|
背景・ねらい |
「T-418」はタキイ種苗株式会社において育成された、種子親を「札幌黄」×「早生 EarlyYellow Globe 群」の後代から選抜した系統とし、花粉親を「札幌黄」の北見在来から選抜した系統とする中生の早の単交配一代雑種である。
|
成果の内容・特徴 |
- 種子特性および苗生育:発芽勢は「ツキサップ」、「ウルフ」、「スーパー北もみじ」より高く、発芽率はこれらと同等である。苗の草丈は「スーパー北もみじ」よりやや高く、「ウルフ」と同等である。葉数及び葉鞘径は「ウルフ」と同等である。
- 葉部生育:圃場における初期生育及びその後の草勢も「ウルフ」並に旺盛である。葉色は「ウルフ」より濃く、草姿は「ウルフ」よりわずかに開張するが、「スーパー北もみじ」並である。均一性は「ウルフ」とほぼ同等で、葉先枯れは少ない。生育盛期の草丈は、「ウルフ」と同等で、「スーパー北もみじ」より高い。葉数、葉鞘径は「ウルフ」と同等である。
- 早晩性:倒伏期は「ウルフ」と同等で、「ツキサップ」、「スーパー北もみじ」より3日早く、中生の早に属する。枯葉期はこれら3品種よりやや早い。
- 耐病性:乾腐病の発生程度は蘭太郎(発生程度が中)よりも低いが、「ツキサップ」、「スーパー北もみじ」より高く、「ウルフ」よりやや高い。灰色腐敗病などボトリチス属菌による病害に対しては、「ツキサップ」、「スーパー北もみじ」より発生率がやや低い。
- 耐抽台性:不時抽台は「ツキサップ」と同等である。「ウルフ」との差異は明らかではない。
- 収量性:平均一球重は「ウルフ」並で、「ツキサップ」、「スーパー北もみじ」より優る。規格内率は「ウルフ」と同等であり、規格内収量も「ウルフ」並に高い。また、L 大球以上(球径が8cm以上)比率は「ウルフ」より高い。
- 貯蔵性:貯蔵後健全率は高貯蔵性の「ツキサップ」、「スーパー北もみじ」より劣るが、「ウルフ」より優る。
- 球品質:球は「ツキサップ」、「スーパー北もみじ」より軟らかいが、「ウルフ」よりやや硬い。外皮色は「ウルフ」より濃く、「スーパー北もみじ」並である。皮張り程度は「ウルフ」並である。
|
成果の活用面・留意点 |
乾腐病の発生程度はやや低い程度であるので、同病多発圃場での作付けは避ける。 平成12年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分 課題名:たまねぎ「T-418」(たまねぎ品種試験)(普及奨励)
|
図表1 |
 |
カテゴリ |
出荷調整
新品種
たまねぎ
品種
|