アカヒゲホソミドリカスミカメの性フェロモン物質の同定及び誘引性

タイトル アカヒゲホソミドリカスミカメの性フェロモン物質の同定及び誘引性
担当機関 北海道立花
研究期間 2000~2000
研究担当者 柿崎昌志
八谷和彦
橋本直樹
発行年度 2000
要約 アカヒゲホソミドリカスミカメの性フェロモン候補物質して同定された17物質のうち、カプロン酸ヘキシルとカプロン酸ヘキセニルの2:1の混合物に、野外での弱い誘引活性が認められる。一方、デカナール、3-ノネン-2-オンおよび2-ウンデカノンには誘引阻害効果が認められる。
背景・ねらい アカヒゲホソミドリカスミカメの新しい発生予察方法開発のため、その性フェロモンを同定し誘引性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. アカヒゲホソミドリカスミカメの雌には、雄を選択的に誘引する行動が観察され(図1)、交尾時刻は夜間に多い。多くの雄は、雌の位置に対して下方約10cm以下に定位して接近する。しかし、雌雄ともに明瞭な儀式的な配偶行動(体を震わすなど)は観察されない。これらの配偶行動の観察から、本種の雌の誘引性には、性フェロモンの関与が示唆される。
  2. 本種の性フェロモンの試験方法として、各種の室内検定法の適用は難しいが、触角電位(GC-EAD)法によってみつけた物質の合成品を使って野外誘引試験を行う方法が唯一可能である。野外誘引試験方法については、地面に設置した水盤トラップ(図2)と担体として灰色セプタム(図3)を使う方法が適用できる。
  3. GC-EAD法により、雌抽出物中に反応が認められたピーク物質を、GC分取によりそれぞれ単離し、GC-MS(質量分析計)分析により、その化学構造を推定した。その推定物質を合成・精製し、天然物との一致性を確認し、17物質を同定した(表1)。
  4. これら同定された17物質のうち、物質I:カプロン酸ヘキシルと物質II:カプロン酸ヘキセニルの2:1の混合物に野外での誘引活性がみられるが(図4)、その誘引活性は弱く、安定していない。物質III~VIIIの6物質には、誘引性への影響はみられない。また、物質E:デカナール、物質G:3-ノネン-2-オン、物質D:2-ウンデカノンに、誘引阻害効果がみられる(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 今後アカヒゲホソミドリカスミカメの性フェロモン実用化に向けての参考になる。

平成12年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
課題名:アカヒゲホソミドリカスミカメの性フェロモンの検定方法および物質の同定と誘引性検定(研究参考)
図表1 212282-1.jpg
図表2 212282-2.jpg
図表3 212282-3.jpg
図表4 212282-4.jpg
図表5 212282-5.jpg
カテゴリ 病害虫 性フェロモン

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