タイトル |
えだまめ(だいず)に対するアゾスピリラム菌の接種効果 |
担当機関 |
北海道立中央農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
赤司和隆
中森朋子
山上良明
長谷川進
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発行年度 |
2000 |
要約 |
アゾスピリラム菌の接種はえだまめの根粒着生数と根重の増加、および窒素吸収の増大をもたらす。また、だいず未作付けほ場における本菌と根粒菌の混合接種は各菌の単独接種に比べてえだまめの収量増に対してより効果的である。
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背景・ねらい |
環境保全型農業の普及に伴い、宿主範囲の広い窒素固定菌であるアゾスピリラム菌が注目されている。しかし、本菌の知名度は根粒菌などに比べて低く、微生物資材として本菌を評価、利用する際に参考となる情報が少ない。そこで、えだまめに対する本菌の接種効果を実証、整理し、さらに根粒菌との混合接種効果を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- アゾスピリラム菌の接種はえだまめの根粒着生数と根重の増加、および窒素吸収の増大をもたらす(表1)。これらの効果は減圧下で種子に菌を真空吸着させるノ-キュライド加工よりも含菌ピ-トモスによる種子粉衣の方が高い。
- アゾスピリラム菌は植物ホルモン(インド-ル酢酸)産生能を有することがトリプトファン(基質)を添加した培地を用いた培養試験により認められる(表2)。
- 窒素2kg/10aの標準施肥量下ではえだまめの収量に対するアゾスピリラム菌と根粒菌の混合接種(種子粉衣)は、各菌の単独接種よりも効果が高い(表3)。一方、窒素6kg/10a施用下では各菌の単独接種および混合接種の効果は年によっては認められないこともあり(表3)、これらの菌の接種効果は不安定である。
- 市販のアゾスピリラム菌と根粒菌の混合資材は、えだまめの根粒着生数を増加させるとともに生育促進および収量増に対して有効である。これらの効果は根粒菌単独に比べて優る。接種方法としては土壌接種(含菌ピ-トモスの播種畦施用)が種子粉衣に比べてより効果的である。
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成果の活用面・留意点 |
- 栽培試験の結果は殺菌土を用いたポット無肥料栽培およびだいず未作付けほ場において得られたものである。
- アゾスピリラム菌の接種効果は、営農指導機関がアゾスピリラム菌を含有する微生物資材の有効性を評価する上で参考となる。
- えだまめに対するアゾスピリラム菌と根粒菌との混合接種効果は、だいず未作付けほ場で期待できる。ただし、安定した接種効果を得るためには窒素施肥量は2kg/10a程度に留める。
平成12年度北海道農業試験会議成績会議における課題名および区分 課題名:エダマメ(大豆)に対するアゾスピリラム菌の接種効果の解明(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
えだまめ
加工
施肥
大豆
播種
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