タイトル |
北海道もち米の実需実態と理化学特性 |
担当機関 |
北海道立上川農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
平山裕治
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発行年度 |
2000 |
要約 |
実需実態調査の結果、北海道もち米には品質の向上と均一化が必要とされている。理化学分析から得られた北海道もち米の理化学特性値を考慮して、暫定的な品質改善目標値を白米白度50以上、蛋白含有率8%以下、整粒歩合80%以上と設定する。
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背景・ねらい |
北海道もち米は硬くなりにくい(硬化速度が遅い)ため、現在約7割が主食用(おこわ、家庭向け)として販売されているが、実需実態の把握は十分ではない。本課題では北海道もち米の品質向上に資することを目的にアンケート調査および理化学分析を実施して北海道もち米の実需二一ズやその特性を把握する。
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成果の内容・特徴 |
- もち米の品質・食味調査を自社で行う企業が多く、卸企業では白米白度、食味官能検査値が重視され、外食・加工業ではこれらに加えて物理特性も重視されている(表1)。
- 北海道もち米の使用理由の第1位は低価格で、次いで、卸企業では硬くなりにくい、外食・加工業では硬さが程良いがあげられる。一方、使用しない理由には卸企業では銘柄の消費者の認知度が低い、外食・加工業では値頃感や品質の悪さがあげられる(表1)。
- 北海道もち米の品質に関する要望は、卸企業では第1位が白度向上、次いで粒揃いを良くで、外食・加工業では第1位が粒揃いを良く、次いで粒を大きく、白度向上である(表1)。炊飯米と餅の品質に関する要望では、硬くなりにくくが最も多い。
- 理化学分析の結果、北海道もち米の蛋白含有率は6.3%~11.1%および白米白度は42~59の広い範囲に分布している(図1、図2)。また、蛋白含有率と白米白度および炊飯米の粘りには有意な負の相関がみられる(図3、図4)。
- 北海道もち米の品質向上のために暫定的に品質改善目標値を次のように設定する。
白米白度は平成10年産平均値50.8から50以上、蛋白含有率は高温年の平成11年産平均値7.8%から8%以下、整粒歩合は粳米に準じて80%以上とする(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 水稲糯品種開発ともち米生産指導に活用する。
- 本成績は、「北海道米の加工適性評価」(平成6年研究参考事項)とともに活用する。
平成12年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分 課題名:北海道もち米の実需実態と理化学特性(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
加工
加工適性
水稲
品種開発
良食味
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