りんご「ハックナイン」内部褐変発生要因解析と発生軽減対策

タイトル りんご「ハックナイン」内部褐変発生要因解析と発生軽減対策
担当機関 作物開発部
研究期間 1999~2000
研究担当者 村松裕司
藤倉潤治
発行年度 2000
要約 「ハックナイン」の内部褐変は過熟果、蜜入り果で発生が多く、膜強度の低下に誘発されて発生する。内部褐変発生を低減する方策は、樹勢を強くさせないこと、収穫適期を守ること、貯蔵期間を長くとも12月中旬までとすることである。
背景・ねらい 「ハックナイン」は大果で収量性が高く、ジューシーで甘酸のバランスの良い食味をもつが、栽培当初はみられなかった内部褐変障害が徐々に認められるようになっており、貯蔵中に起こる障害であることから外観から判断できず、対策が求められるている。そこで、「ハックナイン」の内部褐変障害の発生要因と機作を検討し、発生軽減の方策と褐変果混入を回避するための貯蔵期間を明らかにする
成果の内容・特徴
  1. 内部褐変の発生しやすい果実は、蜜が入ったもの、熟度が進んだものである。また、大玉も内部褐変が出やすい(表1)。
  2. 内部褐変は、膜強度の指標である水溶性K含有率、膜透過性が高いと言われているソルビトール、および膜成分とのCa競合の可能性があるミトコンドリアCaとり込み活性との間に正の有意な相関関係が認められる(表2)。これらのことから、内部褐変発生機作は、膜強度の低下に誘発される酸化酵素と基質の接触によるものと想定される。
  3. 同程度の地色であれば弱樹勢樹の果実は強樹勢樹のものより褐変しにくい(表3)。
  4. 収穫時期が遅れると内部褐変が発生しやすい(表4)。
  5. 内部褐変回避のために貯蔵期間を12月中旬頃までとし、貯蔵期間に応じて対策を表5より選定する。
成果の活用面・留意点
  1. 「ハックナイン」の栽培および出荷・販売において利用する。
  2. 弱樹勢樹の果実は強樹勢樹の果実よりも栽培中に熟度が進行しやすいため採り遅れないように注意する。

平成12年度北海道農業試験会議成績会議における課題名および区分
課題名:「ハックナイン」内部褐変発生要因と対策(指導参考)
図表1 212315-1.jpg
図表2 212315-2.jpg
図表3 212315-3.jpg
図表4 212315-4.jpg
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カテゴリ 出荷調整 内部褐変 良食味 りんご

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