幹線路網の合理的な規格配置

タイトル 幹線路網の合理的な規格配置
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 市原恒一
生産技術部林道研究室 澤口勇雄
大川畑修
梅田修史
発行年度 1992
背景・ねらい 高能率で低コストの魅力ある林業を確立するためには.新たな機械化作業システムを構築することが不可欠である。路網は,この機械化作業システムの基盤的施設であることから,路網機能に応じた合理的な規格の配置法の確立が望まれている。このため本研究では,路網機能の中で,特に,輸送機能に着目し,路網システムを経済合理性によって最適化することによって,我が国における幹線路網規格の配置基準を解明しようとしたものである。
成果の内容・特徴 路網規格の配置基準を合理的に決定するための生産費関数を設定した。生産費関数は路網整備費,路網用地費及び運材費から成り立ち.林業経営の最終的な産物である丸太が生産費を負担するようにした。路網機能は,路網を利用する丸太量によって評価することが適切と考えられる。このため.路網延長と利用区域森林面積の関係を分析したところ,河川の主流長と流域面積の関係でよく知られている,ハックの法則と類似の法則が高い関係で成り立つことが分かり(図1),これによって路網の丸太流の解析が可能となった。林道,作業林道,トラクタ作業路,フォワーダ作業路の4区分7種類の路網からなる路網計画シミュレーションを行った。代表的な例として,地形傾斜20度,素材生産量(250m3/ha)の場合における幹線路網の規格配置基準を示す(図2)。なお,路網整備費関数(図3)及び運材費関数(図4)を併せて示す。この結果によると,小面積の利用区域森林では,トラクタ作業路が最低の生産コストで最も有利で,フォワーダ作業路1も大差のない水準で推移している。しかしながら,利用区域
森林面積が増大し,183haを越えると路網整備費の割に運材能力の高い作業林道が有利となり,次いで1,480haで林道2級に移行する。このケースでは,林道1級の配置は不利となっている。以上の結果は,現在整備を進めている林道は,林業経営的には数百ha以上の利用区域森林面積を有しなければ経済的に不利であることを現しており,林道を補完する低構造の作業林道の必要性が再認識された。また,地形等の条件によってはトラクタやフォワーダ作業路も幹線的な規模での配置が可能であることが分かった。

図表1 212322-1.gif
図表2 212322-2.gif
図表3 212322-3.gif
図表4 212322-4.gif
カテゴリ 機械化 経営管理 コスト 低コスト 輸送

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