枝打ちの繰り返しが成長に及ぼす影響

タイトル 枝打ちの繰り返しが成長に及ぼす影響
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 四国支所連絡調整室
発行年度 1993
背景・ねらい 幹曲がりの少ない間伐木でも無節柱材が生産可能で,無節性の高い中・大径材を生産するためには,枝下直径をほぼ6cm以下に保つ枝打ちを繰り返し行うことが必要である。スギ1林分(p-1)とヒノキ7林分(p-2~8)で,それぞれ枝打ち区と対照区を設定し,枝打ち区では,ほぼ2年ごとに枝下直径が6cm前後から4cmにそろえる枝打ちを4~5回繰り返した。このような枝打ち林分の幹材積成長や形状比への影響を検討し,枝打ちの繰り返し方法について考察した。
成果の内容・特徴 幹材積成長:
対照林分に対する枝打ち林分の幹材積の割合(図1)は,枝打ち後の1年目が2年目より大きく低下し,枝打ちのたびに順次低下した。平均枝打ち高を4.7~6.5mとした最後の枝打ちから2年後の幹材積の割合は,48~75%であった。成長のよい林分や密度の高い林分は,成長の悪い林分や密度の低い林分に比較し幹材積の割合が高く,枝打ちの影響が小さかった。枝打ち終了数年後からは,対照林分の幹材積に近づく傾向がみられ,枝打ちの繰り返しによる幹材積成長への影響は,それほど大きくならないことが示唆された。
形状比:
枝打ち林分の平均形状比(図2)は,成長の悪いp-4を除き,対照林分より高くなる傾向がみられたが,その差は最大でも4~8の範囲であった。枝打ち終了数年後から対照林分の形状比に近づき,枝打ちが気象害等に対する抵抗性を大幅に低下させることはないといえる。
枝打ちの繰り返し方法:
枝下直径を4cmに枝打ちした後2年間の枝下直径成長量(図3)は,林齢が低いときは大きく,林齢が高くなるとともに低下した。また,林分内の個体間の比較では,大きい個体は小さい個体に比べ枝下直径成長量が大きかった。これらの結果から,枝打ち2年後に枝下直径を6cmにそろえたい場合は,成長のよい林分や若い林分での枝打ち初期,林分内の大きい個体では,枝下直径を3.5cm程度に小さくする強度の枝打ちが必要であるし,成長の悪い林分や,林齢が高くなるとともに,あるいは林分内の小さな個体では,枝下直径を4cmより大きくする弱度の枝打ちでよいといえる。

図表1 212361-1.gif
図表2 212361-2.gif
図表3 212361-3.gif
カテゴリ 抵抗性

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